- 「音」に敏感な方がはじめて一人暮らしをする。
- 隣人の「生活音」に悩まされる生活はもうしたくない。
- 音(騒音)問題で引っ越しをせざるを得ない。
そんなHSP(とても繊細な人)の方は必ずお読みください。
- 「音に敏感なんだけど集合住宅(アパート・マンション等)で生活していけるか心配」
- 「騒音問題で引っ越しせざるを得ないんだけど、次は絶対に失敗したくない」
音に敏感なHSPにとって、お部屋選びってめちゃくちゃ重要なんですよね。
ボク自身「音」にめちゃくちゃ敏感なHSPなのに、無知な状態でお部屋選びをしてしまったため、後悔してしまったことが何回かあります。
ですが現在は引っ越しの失敗と経験を活かし、「音」問題(騒音問題)に悩まされることなく、安心して生活を送ることができています(契約更新を3回して住み続けています)。
この記事では、
- 音に敏感なHSPが絶対に住んではいけないお部屋(物件)
- 音に敏感なHSPにお勧めないお部屋(物件)
について、徹底的にわかりやすく解説しています。
引越ししてから音(騒音)問題に苦しまないよう、HSPの方がお部屋選びの時に知っておくべき情報を微に入り細に入りまとめました。
環境の変化に強いストレスを感じてしまうHSPにとって、引っ越しは一大事です。
心身ともに疲れ果てるし経済的な損失(50万円前後)も大きい。
その引越しを立て続けに行うことのストレスの大きさと言ったら……半端ではありません。
せっかくの一人暮らし、騒音問題から逃れるための引っ越しで、ボクのような失敗を犯さないために、この記事を読んでいただければと思います。
もくじ
音に敏感なHSPが絶対に住んではいけない物件9選
- 木造アパート
- 部屋に囲まれている部屋
- コンビニなどの店舗が1階にある
- 公園や学校やスーパーなどが隣接している
- 大学近くのアパートやワンルームマンション
- ペット可の物件
- 駐車場が隣接している
- 繁華街が徒歩圏内にある
- 幹線道路に面している
これらがNGな理由をそれぞれに解説します。
木造アパート
木造アパートはその構造上、遮音性がめちゃくちゃ低いです。
隣の部屋の話し声、足音、トイレの水を流す音、ドアの開閉音、携帯(スマホ)のバイブなどの生活音、すべてがビックリするぐらい筒抜けになります。
隣の部屋でさえ音が筒抜けなのに、階下の部屋なんかもっと最悪です。
他人に対してとても気を遣うHSPの場合は「自分の立てる音」にも敏感なため、さらに神経がすり減ってしまいます。
HSPの場合は騒音以前に「生活音」に悩まされるので、木造アパートは音に敏感なHSPが絶対に住んではいけない№1物件と言っても過言ではありません。
家賃が安いばかりに木造アパートに住んでしまったボクの失敗談も、下方に記していますのでお読みください。
部屋に囲まれている部屋
図で解説するとこういうことになります。
例えば、3階建てのマンションで各階3部屋の全9部屋の場合。
2階の真ん中の赤丸の部屋は上・下・左・右の4方向が隣接していることになります。
つまり4方向からの音が気になる環境になるわけです。
非HSPの方ならば気にしなことかもしれませんが、HSPのボクの場合はそれだけで息が詰まるように感じてしまいます。
コンビニなどの店舗が1階にある
一般的にはコンビニが隣接している物件は便利なため、「優良物件」として取り扱われます。
しかし音に過敏なHSPの場合は優良とはなりえません。
むしろ避けるべき物件です。
その理由は早朝~深夜を問わず、人や車の出入りがあるからです。
人の話し声、車のドアの開閉音、配送車の作業音。
どれもHSPにとっては騒音になりえてしまうのです。
学校やスーパーや公園などが隣接している
学校やスーパーや公園など多くの人が出入りする施設は、必然的に「音=騒音」が発せられる機会が多くなります。
学校近辺は通学時の学生の声だけではなく、校庭で催される体育の授業や運動会、スポーツイベントなどで大きな音が起こります。
休日に部屋で静かに過ごしたいHSPにとっては騒音になってしまいます。
スーパーの近くは買い物には非常に便利なのですが、コンビニよりも頻回に車の出入りがあるため、ドアの開閉音やクラクションなどの音問題に悩まされます。
公園の近くも避けるべきです。
理由は深夜までたむろして騒ぐ人がいるからです。
夏場などは花火をして大騒ぎをする人もいるので、HSPの方は「緑が多くて癒されるから」という点に惑わされないようにしなくてはいけません。
ちなみにイベントが頻回に行われる、スタジアムの近くなんかはもっての外です。
大学近くのアパートやワンルームマンション
HSPは騒ぎたい盛りの大学生が住む確率が高い、大学の近くのアパートやワンルームマンションは絶対に避けるべきです。
家賃は安いですが、騒音問題に悩まされる確率が非常に高いからです。
大学のクラスやサークルの友達を部屋に呼んで、深夜から早朝までどんちゃん騒ぎは当たり前です。
物件の管理会社や警察に通報しても一時的に静かになるだけで、根本的な改善は望めません。
「君子危うきに近寄らず」
騒音問題に悩まされるリスクの高い物件には、家賃が安いからという理由だけで手を出すべきではありません。
ペット可の物件
数少ないペット可に物件には、必然的に犬や猫と同居している方が住まわれます。
犬や猫が好きではあっても他人のペットの鳴き声は、音に敏感なHSPは気になってしまうでしょう。
ですから、ペットとの同居を考えていないHSPは住むべきではありません。
ちなみにボクは柴犬のKさんと同居しているため、ペット可の物件に住んでいます。
現在は遮音性の高いRC(鉄筋コンクリート)構造の物件に住んでいるため、音(ペットの鳴き声)問題に悩まされることはありません。
ですが、以前は遮音性が低いS造(軽量鉄骨造)構造の物件に住んでいたため、ペットの鳴き声問題には非常に気を使いましたし、悩まされました。
駐車場が隣接している
車を持たれている方は、駐車場がアパートやマンションに隣接しているほうが、移動が楽でいいと思われるかもしれませんが、HSPの場合はNGです。
以前ボクは駐車場が目の前にあるアパートに住んでいたのですが、車のドアの開閉音・冬季の暖機運転のエンジン音・盗難防止アラームの誤作動の音には非常に悩まされました。
繁華街が徒歩圏内にある
大きな繁華街には居酒屋やスナック、ラーメン屋など深夜まで営業しているお店が沢山あります。
繁華街が徒歩圏内の物件は、そのお店で働く従業員の方々が住まわれる可能性が高いのです。
飲食業の方々は深夜~早朝に帰宅することが多いため、一般的な朝~夜まで働く人々とは生活のリズムが異なります。
以前ボクが住んでいた木造アパートの隣人の方がそうだったのですが、夜中に洗濯機を回す、携帯で大きな声で話す、掃除機をかける……などがよくありました。
音に敏感で眠りの浅いHSPにとってこれらの音は騒音になり、明らかな睡眠妨害となるのです。
非HSPの友人には「それぐらいみんな我慢している」と言われてしまいますが、HSPにとっては大問題なのです。
幹線道路に面している
幹線道路は交通量が多いため、HSPを苦しめる原因が沢山発生してしまいます。
① 車の走る音が頻回で大きい
② 車のクラクションがうるさい
③ ダンプなど大きな車が通ると地震かと思うぐらいに揺れる
④ 排気ガスのにおいが洗濯物につくので外に干せない
大きな交通量が多い道路はHSPには合わないのです。
HSPが安心して暮らせる物件とは?
まず絶対的なのが、HSPが安心して住み続けることができる物件とは、上記の「音に敏感なHSPが絶対に住んではいけない物件9選」の要因を除外したものです。
「それはわかっているけど、もっと具体的に教えてほしい」
というあなたのために、音問題悩まされ5回も引っ越しをしたボクがたどり着いた答えをお伝えします。
それは、
- RC(鉄筋コンクリート)構造のマンション
- 最上階角部屋
- 駅から離れた閑静な住宅街の中の物件
この3つをおさえた物件になります。
それぞれについて具体的に解説します。
RC(鉄筋コンクリート)構造のマンション
まず、基本的な知識として建物の構造は大きく分けて、
- SRC(鉄筋鉄骨コンクリート)
- RC(鉄筋コンクリート)
- ALC(鉄骨ALC造)
- S造(重量鉄骨造)
- S造(軽量鉄骨造)
- 木造
の6種類になります。
構造上は上から遮音性が高い順になります。
SRCとRCが遮音性が高いという事です。
調べたところでは、SRCとRCの遮音性の違いはほとんどないようです。
SRCはRCよりも大規模な物件(ファミリータイプのマンションなど)に用いられる構造ですので、家賃も基本高くなる(10万円以上)と考えていいでしょう。
なので、遮音性が高く、家賃もそれほど高くならないRC(鉄筋コンクリート)構造の物件がおすすめなのです。
「なるほど!RC構造なら問題ないのね!」
というわけではないので。
もう少し深い話をしますと、RC構造でも古いマンション(築15年以上)の物件は注意が必要です。
その理由は「戸境壁」と「スラブ厚」が薄い可能性が高いからです。
- 戸境壁(こざかいへき):住居と住居の間の壁
- スラブ厚(すらぶあつ):床(天井)のコンクリートの厚み
のことです。
戸境壁が薄いと隣の部屋の生活音が響きやすくなります。
スラブ厚が薄いと足音や物を落とした時の音が響きやすくなります。
なので、RC構造でも「戸境壁:180㎜以上」「スラブ厚:200㎜以上」のコンクリートの厚さがあれば、ある程度の遮音性の高さが期待できるということになるのです。
もう一つ突っ込んだ解説しますと、マンションの床の遮音性を表す値として「L値(えるち)」というものがあります。
日本建築学会ではマンションなどの集合住宅においては、「L値45以下が望ましい」としています。
なので、RC構造のマンションで、
- 戸境壁:180㎜以上
- スラブ厚:200㎜以上
- L値:45以下
この3つの値をクリアーした物件ならば、HSPの方でも音に悩まされずに安心して暮らせる可能性が高いといえるのです。
これぐらいの知識を持って物件探しにのぞめば、不動産会社の方も「この人はただものではないな」と、より真剣にHSPあなたに合った物件を探してくれると思います。
最上階角部屋
最上階角部屋の場合は、下と左右のどちらかの2方向だけが隣接していることになります。
4方向隣接している部屋と比べると、音(生活音)問題に悩まされる確率が半分になるわけです。
ただ最上階角部屋は人気のため、家賃が他の部屋よりも高い場合が多いです。
ですが、音問題に苦しんでまた引っ越すという、心身+経済的なの大きなダメージを考えるならば、HSPの方は妥協せずに最上階角部屋に住むべきだと思います。
駅から離れた閑静な住宅街の中の物件
駅に近い物件は一般的には通勤通学には便利な優良物件です。
ですが、HSPの方には必ずしも優良とはなりえません。
繁華街が近かったり、人通りが多かったりして音に悩まされる確率が高いからです。
なのでボクは駅からバスで10分ほどの距離にある、閑静な住宅街の物件がHSP向けだと思っています。
駅から離れれば家賃も安くなるので、一石二鳥です。
ただし、バス停からは近い物件を選ぶことは必須条件なので、忘れないようにしてください。
ちなみにボクが7年以上も住み続けている現在のお部屋は、バス停から徒歩1分です(部屋からバス停が見えます)。
HSPのボクの部屋選び失敗から成功をつかむまで
環境の変化への適応に時間がかかり、心身へのダメージが大きいHSPにとって、引っ越しはできるだけ避けたいイベントでしょう。
ですが、無知であったボクは部屋選びに失敗し、短期間に引っ越しを繰り返しました。
はじめての一人暮らしで住んだ部屋が木造アパート(2階)でした。
駅まで歩いて行けるのに家賃が安いという理由だけで選んでしまった、最悪な物件でした。
1階が動物病院だったのですが、毎朝シャッターを開ける音が「ガラガラガラッ!ドカンッ!」と響き渡るのです。
当時はシフト勤務の介護職であったため、平日の休みの日にゆっくり寝ていようと思っても、シャッターの開閉音で叩き起こされてしまうのです。
また、隣の部屋の方は生活が不規則な方で、夜中に洗濯機を回したり、掃除機をかけたりすることがあり、ようやく眠りについたと思ったのに起こされてしまうのです。
ドアの開閉音や話し声も筒抜けで、自分の部屋にいるのに寛ぐということができない状態でした。
木造アパートの遮音性の低さを思い知らされた物件でした。
余談になりますが、作業療法士の学生時代、実習で遠方の病院や施設に長期間通う必要がありました。
家から通うには遠すぎるため、学校が手配してくれたレオパレスに泊まることとなりました。
そのレオパレスが木造で、戸境壁(隣の部屋との間にある壁)はベニヤ板一枚なんじゃないか?と思えるほど、遮音性の低さが半端ではありませんでした。
- 隣の部屋の人のセキやイビキが聞こえる。
- テレビの音が鮮明に聞こえる(何の番組を見ているかわかるぐらい)。
- 上階の部屋の人の足音が地響きのように大きく聞こえる。
- 隣のインターフォンの音が自分の部屋のように聞こえる。
などなど、身も心も疲れる実習期間なのに、最悪なレオパレスの部屋で最悪な体験をしてしまいました。
木造アパートの生活に限界を感じ、次に引っ越したのがALC(鉄骨ALC造)のマンションでした。
木造で懲りていたのに転職などの生活の変化に疲れていたため、「音問題」に対して十分な情報収取をせず、「木造よりはましだろう」という安易な気持ちで選んでしまったのです。
また、その時には柴犬のKさんと同居を開始していたため、ペット可の物件で家賃もそれほど高くない。
しかも新築でペット専用の足洗い場もあり、見た目もきれいだしいい感じだ。
ということもあり、物件見学の時に「階段の上り下りの音が気になるな……」と思っていながらも、スルーしてしまったのです。
最上階は選んだのですが、真ん中の部屋しか開いていなかったため、「きれいだからいいだろう」という、いい加減な理由で妥協してしまったのです。
ALC(鉄骨ALC造)の質にもよると思うのですが、家賃が安かったため、戸境壁は薄いつくりでした。
大きな話し声や音楽をかけている音は結構響きました。
また、ペット可の物件であったため、隣室の方が飼われている犬や猫の鳴き声が、昼夜を問わず聞こえるのです。
なので、同居している柴犬のKさんの鳴き声にも「迷惑ではないのか」とビクビクしてしまう……というありさまでした。
さらに最悪だったのが、駐車場がマンションの前に隣接した作りだったことです。
早朝深夜の車のドアの開閉音、当時は冬であったため、暖機運転のためのエンジン音に悩まされました。
非HSPの友人は「いいマンションだ!」と言っていましたが、HSPのボクには「ALC(鉄骨ALC造)の遮音性の低さをなめていた……安心して暮らせない……」部屋であったのです。
そしてようやく「遮音性の高い物件」について十分に情報取集をし、いまも住んでいるRC(鉄筋コンクリート)構造の物件に引っ越すこととなったのです。
この部屋に引っ越してもう7年になります。
音問題についてはほとんどと言っていいほど気にせずに、安心して生活することができています。
「でも、RC(鉄筋コンクリート)で、最上階角部屋のお部屋は家賃が高いから住めないよ……」
という問題を解決する方法もお伝えします。
その方法とは「駅からバスや自転車で10~15分ほど離れた物件を選ぶ」ということです。
駅近物件は通勤通学には便利ですが、家賃が高くなってしまいます。
しかも駅の近くは繁華街があるため、HSPには適した環境とは言えません。
しかし駅からある程度離れた物件ならば、RC(鉄筋コンクリート)のお部屋でも2~3万円は安くなります。
そして閑静な住宅街はHSPに適した「音環境」であるともいえるのです。
といっても、木造アパートなみの家賃というのは望めません。
駅近の木造よりも1万円前後は家賃が高くなってしまうでしょう。
でも、この1万円が「音問題に悩まされずに暮らすための安心料」だと思えば、決して高くはないと思います。
家賃の安さを取るばかりに、木造アパートで音問題に苦しみ、心身の疲労を蓄積する、心から安らげる場のない生活なんて、繊細なHSPには耐え続けることができない状況であると思いますから。
まとめ:HSPの引っ越し・部屋選びは徹底的に情報収集をして慎重に行うこと
HSPの方のお部屋選びは、決して家賃の安さや駅近などの一般的な基準で選んではいけません。
HSPは音に敏感=リスク管理能力が高いため、音から安全に身を守れる環境を第一に考えることが絶対条件だといえるでしょう。
不動産業者の方に物件選びの条件を提示するときも、とにかく「遮音性が高い」ということを重視しているということを必ず伝えてください。
そして音に関しては安易に妥協しないでください。
その安易な選択が、引っ越しを繰り返すという心身+経済的なダメージへと繋がってしまうのですから。
でも、この記事でご紹介したような「HSP向けのお部屋選び」の方法を実践していただければ、音に敏感なHSPのあなたでも、安心して住み続けられる親へを見つけることは十分に可能だということも忘れないでください。
引越しはHSPにとってはとても大きなライフイベントです。
十分な情報収取と冷静沈着な判断力とを持って臨んでください。