HSPと映画

HSPが安心して泣くことができる映画5選【邦画編】

 

  • 「最近ストレスが溜まってるから、号泣してさっぱりしたい!」
  • 「いろいろあって……泣ける映画を見て思いっきり涙を流したい!」
  • 「号泣できる映画を見て心に溜まったものを涙で流してしまいたい……」

 

繊細で感受性豊かなHSPは、日々の生活でプラスもマイナスもいろいろと溜め込んでしまいます。

さまざまな感情で心がいっぱいな時には、号泣できる映画を見て涙をたくさん流せば、とってもすっきりした気持ちになれます。

 

ちなみにボクは映画好きで、洋画・邦画のDVDやBlu-rayを200枚ぐらい持っています(買いすぎ!汗)。

 

そんなボクが今まで繰り返し見てきた、自信を持ってオススメできる号泣できる映画、感受性豊かなHSPが安心して泣ける映画を5本紹介します。

 

優しさ・切なさ・感動・共感、心を揺さぶられる号泣映画(邦画編)のラインナップです。

「涙を流しつくしてすっきりしたい!」HSPの方は参考にしてみてください。

 

映画「パコと魔法の絵本」・舞台「midsummer carol ガマ王子VSザリガニ魔人」

映画「パコと魔法の絵本」・舞台「midsummer carol ガマ王子VSザリガニ魔人」

 

「パコと魔法の絵本」という映画がめちゃくちゃ大好きで、この映画の原作である舞台「midsummer carol ガマ王子VSザリガニ魔人」のDVDも持っていて、双方とも繰り返しみています。

 

映画版、舞台版とも基本的なストーリー展開は同じなのですが、出演者・演出がそれぞれに異なります。

で、どちらがオススメなのかというと……絶対にどちらもみる価値あり!!なのです。

 

「パコと魔法の絵本」をみてから、「midsummer carol ガマ王子VSザリガニ魔人」をみて、違いを検証しつつ号泣するという流れがオススメです。

あらすじ

さまざまなところに傷を「持った」、変わった人ばかりが集まる風変わりな病院。

そこで傲慢極まりない大企業の社長(大貫)と、事故のために一日しか記憶が保てない少女(パコ)が出会います。

 

二人は「魔法の絵本」を通じて心を通じ合います。

その二人の関係はやがて病院全体を巻き込んで行われる、「サマー・クリスマス」という大イベントを盛り上げる流れへと繋がります。

そして最後に予想外の結末が……。

 

映画「パコと魔法の絵本」

まず、主役である「大貫(ガマ王子)」を演じる役所広司さんの圧倒的な存在感、クソ爺っぷりがたまらなく素敵なんです!

 

「あんたが私を知ってるっていうだけで腹が立つ!」

が、口癖の傍若無人の尊大極まりない、一代で大企業を築いた社長役なのですが、このクソ爺っぷりが徹底されているからこそ、後半の号泣シチュエーションが生きてくるのです。

 

余談になりますがボクは以前、鉄拳という格闘技ゲームに、ゲームセンターに通うぐらいハマっていました(ですが、ビビりなので対戦するとガチガチになって技を出せなくなってしまうので、上手い人たちの対戦を見るのが楽しみでした)。

 

その鉄拳のキャラクターの中でも、三島平八というキャラが大好きでした。

その平八を明らかに外見のモデルにしているだろうというのが、大貫なのです。

 

パコと魔法の絵本をみようと思ったのも、大貫の外見が三島平八に似ているという、実に単純な理由からだったのです。

 

この映画の出演者・キャラクターはみんな大好きなのですが(これって、ボクにとっては珍しいことです)、大貫以外にもう一人、すごく心揺さぶられるキャラクターがいます。

それが、妻夫木聡さん演じる「室町(ザリガニ魔人)」です。

 

室町は大スターでちやほやされた子役時代を忘れられず、大人になるにつれて売れなくなった現実にもがき苦しみ、アルコール依存症で自殺未遂を繰り返すキャラクターです。

これがもぉ、ボクの心の弱い部分にダイレクトに響いてくるのです。

 

室町の「死ぬのは怖くて、だけど……生きるのはもっと怖くて!」というセリフが、ことあるごとに心の中でリフレインするのです。

 

ボクの思い込みかもしれませんが、刺激が多すぎて人間関係が複雑な日本社会では、繊細で感受性豊かなHSPが「生きるのが辛い……」と思うことは、日常茶飯事なのではないでしょうか?

 

そんな時に、ボクの心の中でこのセリフが繰り返されるのです。

呪文のように繰り返されることで、辛い思いが少しずつ過去に昇華されていくのです。

「生きるのが辛いのは、ボクだけじゃないんだ……」と。

 

その他にも、舞台版にはない映画ならではの過剰にデコレーションされたSFX演出(誉め言葉)が、大人のファンタジー的な展開にすっごくマッチしているのです。

ストレスが溜まっているとき、人の優しい心に触れて癒されて泣きたいとき、ぜひみていただきたい一品です。

 

舞台「midsummer carol ガマ王子VSザリガニ魔人」

舞台版のキャッチコピー「いじわるとよわむしたちの記憶」というのは、なかなか秀逸だなぁ~とおもいました。

 

映画版では妻夫木聡さんが演じている「室町(ザリガニ魔人)」を、舞台版では笠原浩夫さんという方が演じているのですが、これがもう……最高なんです!

 

妻夫木聡さんの室町にすっごく共感していたため、「舞台版では誰が演じているのだろう……不安だなぁ~……」と思っていたのですが、そんな思いはまったくの杞憂でした。

笠原浩夫さんは喜怒哀楽の表現が素晴らしく、ビシビシとそれぞれの感情が伝わってくるのです。

 

また、主人公である大貫(ガマ王子)を吉田鋼太郎さんが演じているのですが、映画版の役所広司さんにも負けず劣らずの存在感で君臨しています。

 

映画版では上記のように各キャラクターが過剰にデコレーションされていて、非常にわかりやすくキャラ分けができているのですが、舞台版は「普通の人」が演技力勝負で表現しているため、どちらが好みかはみる人次第だと思います。

 

映画版・舞台版とも笑えて泣ける、秀逸な作品であることは間違いありませんから。

 

日本版「容疑者Xの献身」・韓国版「容疑者X 天才数学者のアリバイ」

日本版「容疑者Xの献身」・韓国版「容疑者X 天才数学者のアリバイ」

 

東野圭吾氏の小説を映画化した日本の「容疑者Xの献身」と、韓国の「容疑者X 天才数学者のアリバイ」。

それぞれについてボクの感情的な(笑)感想を述べます。

あらすじ

孤独な天才数学者「石神」のアパートの隣に、一人娘と暮らす「靖子」親子が引っ越してきます。

その親子との出会いで、石神は○○してしまうことを中止します。

 

その時から石神は靖子にひそかに思いを寄せ「恋」をしてしまいます。

平穏な日常を取り戻した石神と靖子。

 

しかし靖子親子は別居していたDVな父親に見つけられ、トラブルから殺人を犯してしまいます。

親子を守るために石神がとった行動とは……。

 

日本版「容疑者Xの献身」

この映画はなんといっても、堤真一さんが演じる天才数学者「石神哲哉」が素晴らしい!

もちろん福山雅治さんの湯川学の存在があってこそ光り輝いているのですが、まぁ素晴らしいんですよ本当に。

 

ネタバレになるので詳しくは書きませんが、石神のとった行動・決断、一挙手一投足すべてが胸が苦しくなるぐらい迫ってくるのです。

石神になぜこんなにまで感情移入してしまうのか……それは彼が抱える孤独に共感するからだと思います。

 

天才数学者という素晴らしい才能を持っているのに、口下手で人間関係をうまく作れず、○○を選んでしまう孤独が、ボクの心に突き刺さるのだと思います(ボクはなんの天才でもありませんが)。

 

あと、もう一つ理由があります。

それは実在するロシア出身の天才数学者、グレゴリー・ペレルマンの存在を「NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのか 天才数学者の光と影」を見て、知っていたからです。

 

ペレルマンとはどのような人なのかをザックリと解説しますと、100年間解かれることがなかった世紀の難問「ポアンカレ予想」という数学の問題を解いた人です。

 

ポアンカレ予想とは2000年にアメリカのクレイ数学研究所から発表された、ミレニアム懸賞問題という未解決の数学の難問7つの一つ。

ミレニアム懸賞問題の解答を証明できると、懸賞金100万ドル(日本円で1億1千万円)をもらえるのです。

 

そして、ペレルマンはポアンカレ予想というミレニアム懸賞問題に1つを解き、100万ドルを……辞退したのです!! 1億1千万円の受け取りを拒否したのです!!

 

その理由は、組織化された数学協会に対する不満があったためだそうです。

それだけではありません。

 

4年に一度開催される国際数学者会議において、顕著な業績をあげたものに贈られる、数学に関しては最高の権威を有する「フィールズ賞」も受賞を辞退しているのです。

 

「皆がこの証明が正しいとわかれば、その他の認識は必要ありません。私は動物園の動物のように人前にさらされたくないのです」という理由で。

 

100万ドルの懸賞金と最高峰の数学の賞の受賞を辞退したペレルマンはその後故郷に戻り、母親と共にわずかな貯金と母親の年金で細々と暮らす道を選んだそうです……。

 

こんな数学に対して徹底的に真摯に向き合いう不器用な生き方が、容疑者Xの献身の石神哲哉と重なってしまうのです。

 

ボクだけでしょうか?このようなペレルマンの生き方に惹かれてしまうのは……。

あ、惹かれたからと言って、ボク自身がこのような生き方ができるとは思えませんが(汗)

 

話を戻します。

初回はなんの予備知識もなしに、TVで放送されたものを録画して観ました。

「なんだかいい作品らしいから見てみるかなぁ~」的な軽い気持ちで。

 

ストーリー的には東野圭吾氏のミステリー小説の映画化なので、「ふむふむ面白い」という感じてみていたのですが、だんだんと石神への共感が増していき、喜怒哀楽の感情をむちゃくちゃ刺激されるのです。

 

そして「えっ!?なんだよぉ~っ!」という絶望にも似た怒り・軽蔑から、「そ、そうだったのかぁ~!!」という衝撃の展開に、涙と鼻水でティッシュ一箱を使いきってしまほど、号泣しつくしてしまうのです。

 

なぜ「献身」なのか……胸をえぐられるように伝わってくるのです。

 

まだ「容疑者X献身」を観ていないHSPの方がいたら、ぜひ鑑賞してみてください。

「殺人や事件が起こるミステリーは苦手……」というHSPの方以外には、自信をもってオススメできる作品です。

 

ちなみにボクは録画したものを何回も観たのに、「CMが入らない完璧な状態で観たい!」という思いから、Blu-rayを購入しさらに何回も見ています。

 

韓国版「容疑者X 天才数学者のアリバイ」

作品として鑑賞する価値はある映画であると思います。

ただどうしても「物足りない」感が否めません。

 

その理由は福山雅治さん演じる湯川学=ガリレオという存在がないからです。

また、日本版にはない過剰な表現(死体を映すなど)が、ボクには不快に感じられました。

 

「容疑者Xの献身」を見てすごく心をゆすぶられた方は、比較するためにオススメです。

 

余談になりますが、演劇集団キャラメルボックス(上川隆也さんが所属していた劇団)の舞台版の「容疑者Xの献身」DVDもあるのですが、Amazonでは売り切れの状態です。

いつか手にいれたいなぁ~と思っています。

 

「laundry」

「laundry」

 

≪あらすじ≫

子供の頃の事故で脳に傷を負った青年「テル」はおばあちゃんと二人暮らしで、コインランドリーの管理人をしている。

不器用で人間関係での暗い過去を持つ「水絵」は、東京の片隅でひっそりと一人暮らしをしている。

 

その二人がコインランドリーでの忘れ物を通じて出逢います。

そしてその二人は、不眠症の不思議な中年男性「サリー」と共同生活をすることに。

その3人の暖かで優しい交流生活。

 

そしてその先には切なく悲しい展開と、スッと救われる(掬われる)結末が……。


 

「パコと魔法の絵本」「容疑者Xの献身」が現れるまでは、ボクの中で圧倒的に邦画部門第1位の泣ける映画だったのが、窪塚洋介さん主演のこの映画「laundry」です。

 

脳に傷(高次脳機能障害?)を負った少年テルを窪塚洋介さんが演じているのですが、その素晴らしい演技力によって、主人公テルの純粋な心の持ち主というキャラクターが、疲れた心に優しくしみ込んでくるのです。

 

テルの相手役、水絵を小雪さんが演じているのですが、うまく生きれない、不眠症の女性を実にリアルに演じているのも特筆すべき点であると言えます。

 

テル、水絵のすっごく不器用だけれども、まっすぐな生き方……涙が溢れてとまりません。

 

この映画には大失恋をしたときに出会って、多大なる影響を受けました。

どれぐらい受けたかというと、この映画のロケ地の一つである東海バスの船田停留所の場所を調べ、新幹線に乗って実際にその停留所のベンチに座りに行ったぐらいです。

 

新幹線の三島駅から長時間バスに乗り、美しい海を眺め、ドキドキしながら船田停留所までの道を進むあの気持ち……かけがえのない大切な思い出です。

 

涙で心を洗い流せる映画です。

癒されます。

 

「ナミヤ雑貨店の奇蹟」

「ナミヤ雑貨店の奇蹟」

 

≪あらすじ≫

心に傷を負った3人の幼馴染がある事件を犯し逃げ込んだ一軒の廃屋。

そこは以前、人々の悩み相談を手紙で受け付ける「ナミヤ雑貨店」だった。

 

すると突然、シャッターの郵便口から32年前の悩み相談の手紙が届き始めます。

彼ら3人は過去から届く手紙の謎を解くために奔走します。

 

その過程で「この映画の鑑賞者」が知る、ナミヤ雑貨店店主・幼馴染3人・過去の悩み相談者の背景と現実とは……。

 

人の心は清濁併せ持つ。

人の優しさ「清」を信じてみたいと思える、見た後にほっこり温かくなれる映画です。


 

職場の人に「泣ける映画だよ!」と強く勧められ、「ま、東野圭吾氏の小説が原作だから、つまらないことは無いだろう」というような軽い気持ちで観ました。

山田涼介さんの演技は観たことがなかったので、「どんなもんなんだろう?」というやや警戒心もありました。

 

ですが……観てよかった!

山田涼介さんの演技は良かったですし、ストーリーは過去と未来が行ったり来たりするためやや理解しにくいですが、人の温かみを大切にする優しく楽しめる展開でした。

 

なんといっても、雑貨店の店主である西田敏行さんが素晴らしい!

画面に出てくるだけで安心感、温かさが感じられホッとするので、場面によってはじわじわと涙が溢れてきます。

 

門脇麦さんの透明感、手塚とおるさんの憎たらしさ(笑)も素敵です。

成海璃子さんの存在が説明不足という不満もありますが、全体的にみれば安心して泣ける映画です。

 

ジャーニーズ、Hey!sey!junpが好きならば間違いなく楽しんで泣ける、充実の時を過ごせる作品でしょう。

 

「君の膵臓をたべたい」

「君の膵臓をたべたい」

 

≪あらすじ≫

高校教師の「僕」は母校で働いているが、教師が不向きと感じ辞めたいと思っている。

しかし図書館の整理を任されたことで、12年前の記憶が「蘇る」……。

 

膵臓の病気のため余命短いけれどもけなげに明るい女の子「桜良」と、自分に自信が持てずに殻に引きこもりがちな男の子「僕」。

 

僕は桜良の提案で「死ぬまでにやりたいことリスト」を手伝うことに。

その過程で起こるさまざまな出来事に「僕」は翻弄されつつも、人として少しずつ変わっていく……。


 

「なんだかよく(作品名を)耳にするし、テレビで放送するから録画して観てみるか」という感じで、正直まったく期待していませんでした。

あと、このタイトル(笑)があまりにも刺激的というか、強く印象に残りすぎていたので、心のどこかで警戒していたのだと思います。

 

ですが……号泣してしまいました(笑)

主役の浜辺美波さん(桜良)、北村匠海さん(僕)の関係が実に優しくピュアで、忘れかけていた青春時代の初々しさ、危うさ、真剣さ、まっすぐさをぐいぐいと思い出させるのです。

 

昔のことを思い出して賛美するつもりはないのですが、やはり青春時代は若さゆえの心の清さがあったなぁ~と。

 

また、12年後の「僕」役を演じている、小栗旬さんのおさえた演技、静かなたたずまいがとてもいいのです。

 

原作が本屋大賞2位であり、有名な作品であるため賛否両論ありますが、ボクは純粋に楽しめました。

主人公二人の思いが交錯する各場面、ラスト近くの「泣いていいですか?」では涙が溢れました。

 

青春時代に切ない恋、哀しい恋を経験した人には、たまらなく泣ける作品だと思います。

 

泣ける映画まとめ

泣ける映画まとめ
  • 「パコと魔法の絵本」
  • 「容疑者Xの献身」
  • 「laundry」
  • 「ナミヤ雑貨店」
  • 「君の膵臓をたべたい」

今回ご紹介したこの5本の映画は、ボクにとってはHSPのあなたに自信を持ってオススメできる、珠玉の泣ける作品です。

 

ですが泣ける映画と感じたのは、ボクの感性・価値基準においてです。

HSPだからといって必ず泣けるというわけではないと思います。

 

HSPでも感じ方は人それぞれですし、なにが心の琴線に触れるかは、その人の人生経験による部分も大きいですからね。

 

なので、「わたしはこの作品じゃ泣けなかったし、面白いとも思えなかった。でも、○○という作品は最高に泣けたし、一生忘れられない作品ですよ」という映画がありましたら、ぜひ教えていただけたらと思います。