HSPのことについて調べていると、「エンパス」という言葉を目にすると思います。
「エンパスってなに?HSPとはなにが違うの?」素朴にそう疑問に思いますよね。
この記事では、
- エンパスについて
- エンパスの特徴
- HSPとは何が違うのか
について解説したいと思います。
もくじ
エンパスとは?
エンパス(empath)とは一言でいえば、共感力(エンパシー:empathy)が極端に強い人のことです。
エンパスはただ思いやりがあるにとどまらず、人の感情や身体的な症状を、まるで自分のことのように感じてしまうのです。
たとえば、
- 職場の同僚が上司に怒られて落ち込んでいると、自分が怒られたわけでもないのに落ち込んでしまう。
- 恋人が生理痛でお腹が痛いと、自分もお腹が痛くなってしまう。
- 友達がペットロスで悲しんでいると、自分もつらく悲しい気分を背負い込んでしまう。
このように他人の体調や感情を自分のことのように感じてしまうのがエンパスなのです。
ボクの解釈としては「HSPの中でもより共感度が高く、繊細な感性を持っている」のが、エンパスなのではないかと思います。
エンパスの特徴
エンパスについて理解しやすいように、特徴をあげてみたいと思います。
・環境の影響をダイレクトに受けるため疲れやすい。
・脳が興奮しやすいため睡眠障害になりやすい。
・相手の感情や気持ちを読むのが得意。
・人の悩みや相談をまるで自分のことのように聞くことができてしまう。
・喜怒哀楽が激しい人に振り回されてしまう。
・体調が悪い人一緒にいると自分も体調が悪くなってしまう。
・他人のついているウソを直感的に見抜く。
・他人の話をまるで自分が体験したかのように感じてしまうことがある。
・他人の言動の裏側を察知して過剰適応(まわりの環境に合わせすぎてしまう)してしまうことがよくある。
・勘(第六感)がよく相手の意図を言葉にする前に察してしまう。
・虐待やDV、イジメなどのニュースや再現ドラマは苦しくなるので見ていられない。
・悪口大会、欠席裁判のような負の感情が渦巻く「場」には耐えられない。
・犬や猫などのペットや大切にしている観葉植物などの気持ちがなんとなくわかる。
・スピリチュアル(霊的)な存在や力を感じることができる。
・他人から影響を受けやすく、感情やしゃべり方、考え方まで変わってしまうことがある。
・受け取る情報量が多すぎるため取捨選択が難しく、思い込みや勘違いをしてしまうことも多い。
・音に過剰に敏感で些細な音ほど気になり眠れないことがよくある。
・満員電車は五感がフル稼働してオーバーヒート状態になってしまい気分が悪くなる。
上記のような状態はエンパスの人が意識していなくても、自然にそのような状態になってしまうのです。
一般的に人は他人の言動や行動から影響を受けすぎないように、外からの刺激をある程度ブロックをしています。
例えるならば、盾を持って鎧を着ているような状態です。
しかしエンパスの人は盾も鎧もなく丸裸な状態であるため、刺激をブロックできない=防御力が極端に低い状態なのです。
なので、周りからのポジティブなエネルギーも、ストレスとなるネガティブなエネルギーもダイレクトに吸収してしまうのです。
そのため人間関係においては凄く空気が読めるという才能を持っています。
「この人はこう言ってほしいんだろうな」「この人は実はこんなことに困っているんだろうな」ということがわかるため、人から相談されたり、頼みごとをされることがよくあります。
ですが空気が読めすぎる=過剰適応な状態であるため、心も体も常に緊張状態なので毎日とても疲れてしまいます。
ただしエンパスはHSPと同じように「気質(人がそれぞれに持つ身体的・精神的な性質)」であるため、病気や障害などではありません。
エンパスとHSPの違い
HSPとは「Highly Sensitive Person」(ハイリー・センシティブ・パーソン)=「非常に敏感な人」「とっても繊細な人」という意味で、この頭文字H・S・Pを取ったものです。
自身もHSPであるエレイン・N・アーロン博士が1991年から現在も研究を続けている、人の気質(概念)です。
>>HSPについて詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください。
「繊細で感受性が強い」という点でHSPとエンパスは同じものだと思われがちですが、現段階ではHSPの中にエンパスがあるといわれています。
つまり、エンパスの人はHSPではありますが、HSPの人がエンパスであるとは言えないということなのです。
「ん……?なんだかよくわからないけど……」
そうですよね。
もう少し詳しく説明しますと、エンパスとHSPの最も大きな違いは、エンパスにはオーラやテレパシーなどの「スピリチュアル」の要素があるということです。
つまり、HSP+スピリチュアル要素=エンパスということになるのです。
- HSP=心理学的(科学的)要素が強い。
- エンパス=スピリチュアル的(非科学的)要素が強い。
というような感じでとらえていただければいいと思います。
エンパスの3つのタイプ
エンパスには3つのタイプ、
- 身体エンパス
- 感情エンパス
- 直感エンパス
があるといわれています。
それぞれのタイプについて解説します。
身体エンパス
他者の身体的な症状に敏感なエンパス。
他者の身体的な苦痛を、まるで自分のことのように感じてしまう。
また、他者の健康的なエネルギーも自分の中に取り込むことができる。
感情エンパス
他者の感情に敏感で、悲しい感情もうれしい感情も、まるでスポンジのように吸い取ることができる。
直感エンパス
直観力が優れているタイプ。
- テレパシーの能力がある
- 夢でメッセージを受け取る
- 動物や植物と意思疎通ができる。
- 「別次元」と意思疎通ができる。
などの特徴がある。
直感エンパスはさらに、
「テレパシー・エンパス」
今この瞬間に他者が感じていることを、直感的な情報として受け取ることができる。
「予知エンパス」
目覚めているとき、または夢を見ているときに、未来を予知することができる。
「夢エンパス」
他者を助けたり、自分を導いたりしてくれるメッセージを夢で受け取れる。
「ミディアム・エンパス」
別次元との仲介役(ミディアム)になれるエンパス。
「植物エンパス」
植物の声を聞き、植物のスピリットとつながることができる。
「地球エンパス」
地球・太陽系・気候の変化に感応する。
「動物エンパス」
動物と心を通じ合わせることができる。
このようにエンパスは多種多様で、タイプによって能力も異なります。
「繊細で敏感なだけではなく、霊的な直観力も優れていると思う」という方は、エンパスである可能性が高いのではないでしょうか。
参考文献:LAの人気精神科医が教える「共感力が高すぎて疲れてしまうがなくなる本」
-精神科医 ジュディス・オルロフ著-
ミディアム・エンパスについては「引き寄せの法則―エイブラハムとの対話―」エスター・ヒックス+ジュリー・ヒックス著 を読んでいただくと、具体的に理解いしやすいと思います。
精神科医ジョディス・オルロフ「エンパス」診断テスト
チェックリストは「はい」か「いいえ」で答えてください。
はっきり「はい」か「いいえ」ではなくても、「どちらかと言えばはい」「どちらかと言えばいいえ」でもかまいません。
1:繊細過ぎる、内向的すぎる、人見知りだといわれたことがある。
2:焦ったり、不安になったりすることがよくある。
3:激しい口論や怒鳴る人が極端に苦手。
4:生きづらさや、「ここは自分の居場所ではない」と感じることがよくある。
5:人混みが苦手で、エネルギーを回復するために一人になる時間が必要
6:音や匂いに過敏で、ノンストップで話し続ける人と一緒にいるとぐったりと疲れる。
7:化学物質過敏症、またはチクチクする衣類が苦手。
8:帰りたくなったらすぐに帰れるので、自分で運転して目的地に向かうほうが好き。
9:ストレスがたまると過食しがち。
10:他人と親密な関係になると窒息しそうな恐怖を感じる。
11:びっくりしやすい。
12:カフェインや薬がよく効くほうだ。
13:痛みを感じやすい。
14:一人でいることが好き。
15:他人のストレス、感情、症状を自分のことのように感じる。
16:マルチタスクが苦手で一度に一つのことしかできない。
17:自然の中にいると元気になる。
18:難しい性格の人や、エナジーバンパイヤと一緒にいると、回復までに長い時間がかかる。
19:大きな都市より、小さな町や田舎のほうが心が落ち着く。
20:大人数の集まりより、一対一や少人数のほうが好き。
結果分析
「はい」が1~5個:少なくとも部分的にエンパスの特徴を備えている。
「はい」が6~10個:中度のエンパス
「はい」が11~15個:強度のエンパス
「はい」が16個以上:完全なエンパス
自身がどの程度エンパスなのかを知ることができれば、自身のニーズを把握してそれに合わせた対策を取ることができます。
自身のエンパス度を知ることは、エンパスが心地よく生きていくために必要なことなのです。