HSPのあなたは「音」問題に悩まされていませんか?
職場の……
- 声の大きな人の話し声(疲れていると普通の声でも気になる……)
- やたら大きいタイピング音(特にEnterキー)
- 長時間続く隣の席の人のペン回しの音
- ドアや更衣室のスチールロッカーの大きな開閉音
- 不機嫌な人の怒りのこもった書類を整理する音
- コピー機で連続してプリントする音
- 同僚のセキやくしゃみ、鼻をすする音
- 上司の咳払い
アパートやマンションなどの集合住宅での……
- 上階の人のドンドン・パタパタという足音
- フローリングに物を落としたりドンッと物を置く音
- 隣人の話し声や笑い声
- テレビやオーディオの音
- バタンっ!というドアの開閉音
- 上階のトイレを流す音
- なかなか鳴りやまない目覚ましの音
- 早朝・深夜の洗濯機や掃除機の音
- 疲れているとエアコンの室外機や冷蔵庫のモーター音も気になる
- ペットの鳴き声
- 赤ちゃんの泣き声
- 子供の騒ぐ声
その他にも……
- テーマパークや遊園地の大きなスピーカー音
- アナログ式時計の秒針の音
- ダンプやトラックなど大きな車の走行音
- 車のクラクション
- 蛍光灯の「ジィーッ」という音
- 電車やバスの中での話し声
- 駅の電車の発着音やアナウンス
- 食堂でのクチャクチャ音(咀嚼音)
- テレビの音が聞こえると本が読めない(どちらかにしか集中できない)
また、HSPは他者の音だけではなく、自身がたてる音にも敏感です。
- 「あ、ドアを閉めた音、大きくなかったかな?」
- 「思わず出たため息、大きすぎたかな?」
- 「鞄を置いた音、大きかったかな?」
などなど、日常生活での音問題に日々苦労をしてしまいがちです。
HSPの音に対する敏感さは、巨大な収音マイクのような聴覚を持っている感じですよね。
音への繊細な感覚は、好きな音楽を深く味わえるというとても大きな長所もあるのですが、音問題について対策ができていないと、日々ヘトヘトに疲れ果ててしまいます。
ですが音に敏感なHSPであるという自身の特性を理解し、自身に合った環境整備をすることで、音問題に苦しまずに、安心して生活を送る確率を高めることは可能です。
この記事では音にとっても敏感なHSPであるボクの、日常生活における対策方法をご紹介します。
音問題に苦しむHSPの方はぜひ読んでみてください。
もくじ
HSPの「音」問題対策①:仕事(職場)編
仕事は生活を支える基盤です。
HSPのあなたはいかに安心・安定して、長期間働き続けることができる環境なのかを重視する必要があります。
正社員として転職4回、5つの職場を経験、アルバイトも含めると10以上の職場を経験してきたボクの職場(仕事)環境に関する考察です。
ちなみに現在は職場環境に恵まれ、勤続8年目(業界歴10年以上)を迎えることができています。
1:静かでおとなしい人たちが選ぶ仕事を選択する
音に敏感なHSPに向かない仕事は、
- 大きな声を出さなくてはならない仕事
- 大きな音がする仕事
- 大きな声を出す人が集まりそうな仕事
ではないでしょうか。
たとえば、
- 工事現場の仕事
- 大型機械のある工場勤務
- 細かいことを気にしない人が集まりそうな仕事
などはHSPは避けるべきです。
なのでHSPは、比較的静かでおとなしい人たちが選択する仕事を選ぶことを強くお勧めします。
具体的には、
コメディカル(医療従事者)
- 薬剤師
- 作業療法士
- 理学療法士
- 言語聴覚士
- 診療放射線技師
- 臨床検査技師
- 整体師
- 鍼灸師
- 臨床心理士 など
司書(図書館で働く専門的職員)
学芸員(博物館で働く専門的職員)
倉庫内作業員
植物園の職員
水族館の飼育委員
ビルメンテナンス業
などが、比較的静かでおとなしい人たちが選択する仕事だと思います。
とくにボク自身が10年以上働き続けている業界である、コメディカル(医療従事者)の仕事は実体験からもお勧めです。
もちろんコメディカルの方々全員が物静かなわけではないのですが、本当にまじめで静かな方が多いです。
大学生時代からのバイトも含めると、10以上の仕事を経験してきましたが、どの業界よりも圧倒的にまじめで物静かな方が多いのです。
ただコメディカル(医療従事者)として働くには、国家資格が必要になります。
そして国家資格を取得するためには、数年間の通学+数百万円の学費+まじめに勉強する姿勢が必要となります。
ボクは30歳を過ぎてからコメディカル(作業療法士)として働くことを決断したので、この記事を読まれているあなたが20~30代のHSPの方でしたら、目指してみる価値は十分にあると思います。
ちなみにボクは昼間働いて夜間部4年制の学校に通い、約450万円の学費を奨学金+給料で工面しました。
正直、大変ですので中途半端な気持ちでは選ぶことができない道です。
ですが資格取得だけではなく、充実感の詰まった学校生活と経験が得られたため、この道を選んで本当に良かったと思っています。
HSP向けの仕事についてはこちらの記事で、資格取得の難易度・メリット・デメリットとも詳しく解説していますのでお読みください。
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2:満員電車に乗らない
職場選びの条件として、通勤時に「満員電車に乗らない」というのは、HSPのボクにとっては譲れない条件です。
人混みにあふれた駅構内での電車の発着音やアナウンス、電車内での話し声や携帯の着信音などの喧騒は、とても大きなダメージとなるからです。
自転車やバイク・車で通勤可能か、満員電車となる通勤時間を避けることができる職場(仕事)を選ぶことをお勧めします。
3:耐えられない場合は転職を考える
HSPはまじめで他者への配慮をし過ぎてしまうため、「転職=他の職員に迷惑をかけてしまう事」と考えてしまいがちです。
また、HSPはとても慎重で生活の変化に強いストレスを感じてしまうため、転職をして生活環境を変えることに必要以上に不安を感じてしまいます。
その結果、「自分には合わない仕事(職場)だけれど、もうちょっとガマンしようかな……」と、自分を誤魔化したり犠牲にしてしまい、辛い人生を選択してしまうという結果になりがちではないでしょうか。
決して自慢ではないのですが、ボクは転職を4回し5つの職場を経験してきました。
- ガス設備会社
- 1つ目の介護職の職場
- 2つ目の介護職の職場
- 1つ目の作業療法士の職場
- 2つ目の作業療法士の職場(現在勤続8年目~)
どの現場を辞めるのもすごく悩みましたし、決断に半年ぐらいかかりました。
ですが、「辞めざるを得ない目的」を設定することで、退職届を提出せざるを得ない状況を作って乗り越えてきました。
辞めざるを得ない目的とは、資格取得のためのスクールや学校の応募期限、求人募集の応募期限です。
退職することに必要以上の高いハードルを感じてしまうHSPには、退職を決断せざるを得ない期限を設定してしまうのも有効な方法だと思います。
あと、これは本当はよくわかっていることだと思うのですが、あなた一人が辞めたところで、会社にはなんの問題もありません。
あなたが退職することを残念がってくれる上司や同僚はいるかもしれません。
多少は同僚に仕事の負担をかけてしまうかもしれません。
しかしそれはお互い様ですし、あなたが辞めても会社はかわらず通常営業なのです。
なのでHSPのあなたが働きやすい仕事、安心できる生活を第一に考えて全然かまわないのです。
HSPのあなたにとって仕事が辛すぎ、不幸の要因となっているならば、転職を前向きに考えましょう。
HSPのあなたを一番理解し守ってくれるのは、あなた自身なのですから。
HSPの「音」問題対策②:生活編
HSPにとって一人で静かに、安心して過ごすことができる場所・環境は、生命線と言えるぐらいに重要です。
この項目では「部屋(物件)」「睡眠」の2大項目について解説します。
1:遮音性の低い物件(部屋)には絶対に住まない
音に敏感なHSPにとって、遮音性が高く騒音問題に悩まされないお部屋(物件)選びはもの凄く重要です。
HSPの場合は「遮音性>家賃」を基準に部屋を選ぶべきだと断言します。
具体的には木造アパートは新築でも家賃が安いですが、遮音性がものすごく低いので、HSPは住むべきではありません。
多少家賃が高くとも遮音性の高い、RC(鉄筋コンクリート)構造のマンションに住むべきです。
騒音問題に悩まされ、心身ともに疲れ果て、再び引越しをすることの心身+経済的なダメージを考えたならば、はじめから遮音性の高い物件を選んだほうが効率的です。
木造アパートを選んでしまったボクの失敗談と、HSPにお勧めのお部屋選びについて、徹底的に詳しく解説した記事はこちらです。
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2:質の高い睡眠をとる
HSPは眠りが浅く、
- チョットした物音で目が覚めてしまう。
- トイレに何回も起きてしまう。
- 8時間寝ても疲れが取れない。
などのように睡眠の質が低い場合が多いです。
睡眠の質が低いと脳の疲れが蓄積してしまい、敏感なHSPの感覚がさらに過敏になってしまいます。
過敏な状態だと普段は気にならないような音でも、不快な刺激として感じてイライラしてしまいます。
イライラすると疲れますし、まじめなHSPはそんな精神状態の自分を責めてしまいます。
と、さらに疲れてしまうという悪循環に……。
そうならないためにも、質の高い睡眠を取るように心がける必要があります。
睡眠に対する具体的な対策としては、
- 平日の禁酒
- マインドフルネス実施
この二つを実施しています。
平日の禁酒
お恥ずかしい話なのですが、以前のボクは毎晩晩酌をしていました。
仕事でたまったストレスを、飲酒で解消しようとしてしまっていたのです。
ですが本当は飲酒はストレス解消にはなりません。
なぜなら、寝る前のアルコールは脳を興奮状態にしてしまうため、睡眠の質を低下させる大きな要因となってしまうからです(脳が興奮した状態では熟睡感は得られません)。
しかも、アルコールの分解のために肝臓を酷使するため、免疫力の低下にもつながってしまいます。
免疫力が低下すると、風邪などの感染症にかかりやすくなります。
体調を崩しやすくなるのです。
飲酒は睡眠の質を低下させ、体調を崩してしまうのです。
とくに刺激物に敏感なHSPはアルコールの悪影響が大きいのです。
質の低い睡眠で脳が疲れた状態+体調不良で働くということは、HSPにとっては多大なストレスとなってしまうのです。
そんな状態で働いていたボクは毎日ヘトヘトで、週末は長時間睡眠+引きこもり状態で過ごすことしかできませんでした。
平日の禁酒を始めてから、睡眠の質を上げることができ、心身ともにだいぶ軽くなりました。
仕事で疲れ果ててしまう確率は半分以下になりました。
マインドフルネスの実施
これは是非、HSPの方に実行してもらいたいです。
マインドフルネスを一言で説明すると「瞑想などを通じた脳の休息方法」です。
瞑想というとチョット身構えてしまうかもしれませんが、実は世界的な成功者が実践しているとてもポピュラーな脳の休息方法なのです。
iPhoneで有名なアップルの創業者である、スティーブ・ジョブスが瞑想の実践者であったことは、世界的に有名な事実です。
また、Googleではマインドフルネスが社内研修の一つに取り入れられています。
その他にも、Facebook、パタゴニア、エトナといった有名企業でもマインドフルネスが導入されているのです。
実利を重視するアメリカ人のビジネスマン、しかも本当に役立つものにしか手を出さないエリートたちがマインドフルネスを実践しているのです。
エリートビジネスマン以外にも、男子テニス世界ランキング第一位だったノバク・ジョコビッチ、バスケットの神様と言われるマイケル・ジョーダン、映画「ハリーポッター」シリーズで有名な女優エマ・ワトソンもマインドフルネスの実践者として有名です。
ということは?
マインドフルネスが脳の休息、最高に質の高い睡眠を得るのに非常に効果的であるということを裏付けているのです。
HSPは日常生活、とくに仕事では非HSPの人よりも緊張を強いられる場面が多いため、心身ともに疲労してしまいます。
HSPは「グルグル思考」や「一人脳内会議」をしてしまいがちなので、脳は酷使され慢性的に疲れている状態です。
その脳の疲れを癒してあげる、最高の休息方法がマインドフルネスなのです。
マインドフルネスについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をお読みください。
>>睡眠障害に悩むHSPにこそ知ってほしいマインドフルネスという最高の脳の休息方法
HSPの「音」問題対策③:周囲への理解を求める
ボクがHSPとして怠ってきてしまったと後悔しているのが、他者(家族・恋人・友人など)に対してHSPという特性の理解を求めてこなかったことです。
実はこれがものすごく大事なことなのに、非HSPの方々には理解されにくいため、避けてきてしまいました。
「そんなことはみんなガマンしている」「あなたが気にしすぎ」と言われてしまう事に、傷つきたくなかったからです。
しかし最近は家族や親しい友人にはHSPの特徴について話すようにしています。
非HSPの人にはHSPの特性の理解は難しいことですが、「そうなんだ……大変なんだね」「私にはよくわからないけど、あなたが大変なことはわかった」と、言ってくれる人もいます。
HSPは緊張しやすいため、自身の繊細な部分に関してカミングアウトすることは勇気がいることです。
ですが相手のことを大切に思うならば、友好な関係を続けたいと思うならば、勇気をもって伝えてください。
HSPだからという理由で人生後悔しないでください。
HSPの音問題はガマンせずに対策を
ボクはHSPという概念を知るまでは、音問題はガマンするしかないと思っていました。
しかしHSPの特性を学び理解を深めることで、「HSPが音問題から身を守り、安心して暮らしていくための対策」を戦略的に考えられるようになりました。
仕事・日常生活で音問題に苦しんでいるHSPのあなた。
ガマンするだけでは心身ともに疲れ果ててしまうだけです。
HSPの深い思考能力を活かし、あなたにとって安心できる生活環境の整備に向けて、勇気ある一歩をぜひ踏み出してください。
HSPは生きにくい部分もありますが、決して不幸ではないのですから。