- 「嫌なことがあると不安がどんどん大きくなる……」
- 「未来に起こりそうな恐怖を想像すると圧し潰されそうになる……」
- 「緊張する場面では不安が暴走してどうしようもなくなる……」
HSPは繊細なだけではなく感受性・想像力も豊かであるため、不安や恐怖という刺激に過剰に反応してしまい、生きづらさを感じることが多いです。
ボクも40年以上、不安や恐怖を巨大化させてしまう自分自身に苦しんできました。
ですが客観視・歩行禅・マインドフルネスを実践することで、だいぶ生きるのが楽になりました。
この記事では、HSPが不安や恐怖に陥りやすい具体的な場面と、そうなってしまう理由と根拠、実際に役立つ対処法について解説します。
ちょっとした気づきで、あなたの生活は楽なになります。
HSPの気質は変えられなくても、考え方は変えることができるのですから。
もくじ
巨大化した不安や恐怖は90%以上は思い過ごし
繊細で感受性・想像力が豊かであるHSPは、毎日の生活の中で不安や恐怖にさらされ、頭の中でその刺激を巨大化させてしまい、苦しむ場面が多いでしょう。
具体的には、
- 人間関係
- 仕事のミス
- 新しい物事に対するとき
などで、非HSPはまったく不安や恐怖を感じることがないような場面でも、HSPは苦しむことが多いのです。
以下にボクが実際に感じてきた具体例をあげてみます。
HSPが「人間関係」で感じる不安や恐怖
HSPは対人緊張が高く、相手の微妙な言動の変化も敏感に察知するため、人間関係において不安や恐怖を感じやすいです。
- さっきの冗談ちょっと言い過ぎたかな……。
- ドアを閉める音大きかったけど私がなにか悪いことしたかな……。
- 階段の踊り場でコソコソ話してたの私の悪口かな……。
- 疲れて気持ちに余裕がなかったから冷たい態度だと思われたかな……。
- (会社の隣の席の人の)いまのため息は私に不満があるからなのかな……
などなど、枚挙にいとまがないほど日常生活の中で人間関係に緊張し、不安と恐怖に苛まれる場面があります。
他人の言動に緊張しビクビクしてしまう。
↓
会社や学校で疲れ果ててしまう。
↓
家に帰るとなにもする気力がない。
↓
一人暮らしの場合は家事がたまってしまう(家族と暮らしている場合はだらしない人と思われてしまう)。
↓
やらなくてはならないことがある事は痛いぐらいに分かっているのに、できない自分に自己嫌悪を抱いてしまう。
↓
自分に自信がなくなる。
↓
自己評価が低くなり、何事にも消極的になってしまう。
こんな負の連鎖……辛いですよね。
HSPはまじめで責任感が強いので、本当は仕事以外のこと、家事や育児、家族や恋人との人間関係もうまくこなしたいと切実に思っています。
でもそれができないジレンマ……めちゃくちゃよくわかります。
あなたが悪いわけではないんです。
HSPの気質があるがゆえに、人間関係で疲れてしまいやすいのです。
HSPの自分の最大の理解者は、HSPの自分自身なのです。
責めることはやめて、なぜ疲れてしまうのか?
考え方を変えれば人間関係に疲れ果てずに済むのか?
じっくりと考えてみる必要があるのではありませんか?
あなたに合った対処法がきっとあるはずです。
HSPが「仕事でミス」をしたときに感じる不安や恐怖
- 連絡ミスで顧客とトラブルになってしまった。
- ミーティングの約束を忘れて欠席してしまった。
- 会議の資料に間違った情報を載せてしまった。
- 上司に提出する書類を作り忘れてしまった。
- 大切な書類を間違ってシュレッダーにかけてしまった。
などなど、仕事をしているとさまざまなミスを犯してしまうことがあります。
そして、まじめで責任感が強いHSPは「ああ!どうしよう!このミスが原因んで……」
・上司に嫌われてしまうかもしれない。
↓
・職場に居場所がなくなってしまうかもしれない。
↓
・仕事を辞めることになってしまうかもしれない。
↓
・転職先が見つからないかもしれない。
↓
・(仕事があっても)転職先が最悪だったらどうしよう。
↓
・また仕事を辞めたら、無職になってしまうかもしれない。
↓
・最悪、ホームレスになってしまうかもしれない。
↓
・親兄弟に顔向けできなくなってしまうかもしれない。
……などと悪いことばかりを予測して、泥沼の不安に苦しんでしまうのです。
時薬(時がすべてを癒してくれる)が効いて後から考えると笑ってしまえるような、不安の泥沼思考にハマってしまいます。
でも、HSPだろうが非HSPだろうが、仕事でミスをしない人間なんていないんですよね。
誰でも絶対に仕事でミスをするわけですから。
ボクはこれまでの人生で仕事で数えきれないぐらいミスをしてきましたが、上司に嫌われて仕事を辞めざるを得なくなったことは一度もありません(笑)
HSPが「新しい物事」に対して感じる不安や恐怖
HSPのボクの新しい物事に対して感じる不安や恐怖は、
- 引越し(引越しをすると心身ともに疲れ果て、新しい環境に慣れるのに半年以上かかります)。
- 転職(緊張が和らいで新しい職場に慣れるのに1年以上かかります)。
- 新しい仕事を任されたとき(「やりすぎ!」といわれるぐらい準備してしまいます)。
- 新入社員が入社したとき(ボクの場合は警戒して距離をとるのではなく、その人とはやく親しくなろうとし過ぎて勝手に疲れてしまいます)。
などなど、新しい物事に接するということは、多大なストレスを感じてしまうのです。
・新しい物事=今までにない刺激が加わる。
↓
・新しい刺激を危険な非常事態のようにとらえてしまう。
↓
・全身全霊で非常事態をなんとかしようとしてしまう。
↓
・新しい物事になれるのには、時の流れと経験が必要なので無駄な努力で空回りしてしまう。
↓
・誰にも頼まれていないのに勝手に疲れ果ててしまう……。
失敗を繰り返してきているのに、新たな物事に直面すると心の中で警報機が鳴り響き、過剰に反応してしまう。
「ただ静かに生きたいだけなのに……」と、心身ともに疲れたHSPは、極力刺激の少ない生活を渇望してしまうのです。
HSPが不安や恐怖を肥大化させないための対処法
ボク自身が実際に日常生活の中に取り入れている、不安や恐怖を肥大化させないための対処法とは、
- 客観視
- 歩行禅
- マインドフルネス
この3つです。
どれも簡単で誰にでもできますので、身構える必要はありません。
この3つの方法について具体的に解説します。
客観視してみる
HSPは繊細さに加え豊かな感受性と想像力を持っているため、不安や恐怖を主観的に肥大化させてしまいがちです。
ですが、あなたが感じているその不安や恐怖は、実際には大したことがないことがほとんど(90%以上)です。
「それはわかっていても不安や恐怖をグルグルと考えちゃって、どんどんその渦に飲み込まれちゃうんですよ!」
ですよね。
その不安と恐怖のグルグル思考をとめる一つの方法が、客観視することなんです。
具体的な客観視の方法とは、
- いままでの人生で、最悪の状態に想像した不安や恐怖が、本当に実現したことがあるか考えてみる⇒まずないことを事実として確認する。
- 万が一最悪の不安や恐怖が実現(病気以外)したとしても、あなたが死ぬことは無いことを確認する。
- いま感じている不安や恐怖が10段階で10だとしても、もともとは2~3程度のモノだったと思考を振り返ってみる。
このようにしてボクは対処しています。
この客観視を日常生活の中に取り入れてから、ずいぶんと生きるのが楽になりました。
HSPの気質は変えることができません=不安や恐怖を感じる感性を変えることはできません。
ですが、不安や恐怖をコントロールすることはできるのです。
思考の癖は習慣なのですぐに変えることはできません。
ですが客観視する「癖(クセ)」をつけることで、
「あ、不安のグルグル思考が始まった。この状態は私の思い込みが暴走している状態だから、少し冷静になって考えてみよう」
と、不安や恐怖に圧し潰されることが徐々に減っていきます。
不安や恐怖のグルグル思考がはじまったら、「客観視!」を繰り返し心の中で唱えるようにしましょう。
歩行禅(歩行瞑想)の実施
歩行禅といっても禅僧が行うような本格的なものではないので、「なんだかハードル高そう……」と思わなくて大丈夫です。
歩行禅の方法は、次の項目で紹介するマインドフルネスの本「世界のエリートがやっている 最高の休息法」久賀谷 亮著 で知りました。
ボクが行っている歩行禅の方法とは、
1:体の力(とくに肩)を抜きリラックスする。
2:ゆっくりと深呼吸を3~5回する。
3:地面に立っている足の裏の感覚に意識を集中する。
4:リラックスして自然な呼吸を続ける。
5:ゆっくりと落ち着いたペースで歩き出す。
6:足の裏の感覚に意識を集中する。
・足が地面から離れるとき。
・足が地面につくとき。
・足の裏に体重がかかるとき。
7:自然な呼吸+足の裏の感覚に注意を払って歩き続ける。
・歩くリズムに合わせてナンバリング(1,2,3,4,5……)すると集中しやすいです。
8:リラックスした状態で5~10分ほど続ける。
というような感じです。
まとまった時間が取れなくても、ボクは仕事中でも移動(職場の廊下など)する際のちょっとした時間を使って歩行禅をすることで、不安と恐怖のグルグル思考にハマらないようにしています。
以前はボクは歩くことが苦手だったのですが、歩行禅を生活の中に取り入れることで、運動不足の解消にも役立っています。
㊟歩行禅は屋外では交通量の多いところや、交通事故の危険性が高いところでは行わないでください。
公園や遊歩道などの安全が確保できるところで行ってください。
マインドフルネスの実践
マインドフルネスを一言で説明すると「瞑想などを通じた脳の休息方法」です。
瞑想という言葉に「なんだか難しそう……」と思わなくて大丈夫です。
瞑想は世界的な成功者が実践しているポピュラーな脳の休息方法なのです。
アップルの創業者であるスティーブ・ジョブスが瞑想の実践者であったことは、世界的に有名な事実です。
Googleではマインドフルネスが社内研修の一つに取り入れられています。
その他にも、Facebook、パタゴニア、エトナといった有名企業でも導入されているのです。
実利を重視するアメリカ人のビジネスマン、しかも本当に役立つものにしか手を出さないエリートたちがマインドフルネスを実践しているのです。
エリートビジネスマン以外にも、
- ノバク・ジョコビッチ
- マイケル・ジョーダン
- レディーガガ
- イチロー
- 錦織圭
- タイガー・ウッズ
などなど、一流アスリート・アーティストも実践しているのです。
ボクはHSP特有の「疲れ果てているのに、神経がたかぶってしまって眠れない!」という苦しい状況を、マインドフルネスを実践することで70~80%は改善できました。
仕事や家事で疲れてベッドに入っても、不安や恐怖のグルグル思考や一人会議(一人反省会)で眠れない、睡眠障害の問題に苦しんでいる方は、ぜひマインドフルネスを実践することを強く強くオススメします。
マインドフルネスを実践すること得ること(安心・安定・疲労回復など)は沢山あっても、失うことなどなに一つないのですから。
>>マインドフルネスについてはコチラの記事で詳しく解説しています。
HSPの気質は変えられなくても「考え方」は変えることができる
ボクは今でも常に不安や恐怖を感じやすい毎日を送っています。
それはHSPの気質なので変えようがありません。
しかし、その不安や恐怖を「必要以上に」大きくして、動揺の嵐に巻き込まれないようにすることは可能なのです。
HSPであるあなたの気質は変えられなくても、考え方は変えることができるのです。
「不安(恐怖)が強くなって苦しい」と感じたら、すぐに客観視と歩行禅・マインドフルネスを実践するように心がけています。
そうすることで必要以上に苦しくならずに済みますし、脳や体が疲れ果ててしまうことを防ぐことができています。
そうでなかったら、正社員として働きながらこのブログなんて書くことなんて、とてもできなかったと思います。
重要なことなので、もう一度繰り返します。
HSPであるあなたの気質は変えられなくても、考え方は変えることができるのです。
不安や恐怖を感じたら、客観視と歩行禅・マインドフルネスを実践してみてください。
実践することでHSPのあなたが失うものなど何一つないのですから。
客観視と歩行禅・マインドフルネス以外にも、HSPが強い不安や恐怖=「鬱(うつ)」状態に陥らないためのポイントをまとめた記事もありますので、コチラもあわせてお読みください。
>>HSPが「鬱(うつ)」で苦しまないために注意すべき6つのポイント