HSPとは?

【HSPの基本】4つの特性DOES(ダズ)について理解をしてください

HSPの4つの要素 DOESとは?

「HSPとか DOES(ダズ)とか、なんだか難しそう……。」

一見、英語表記ばかりで難しそうに感じてしまいますけど、全然ダイジョブです。

この記事ではHSP=「Highly Sensitive Person」(ハイリー・センシティブ・パーソン)=「非常に敏感な人」「とっても繊細な人」の4つの特性であるDOES(ダズ)について、HSP当事者であるボクが実体験を交えながら、サックリと理解していただけるように解説しています。

HSPの4つの特性「DOES(ダズ)」とは?

HSPの4つの特性「DOES(ダズ)」とは?

 

HSPの第一人者であるエレイン・N・アーロン博士は、HSPの4つの特性として「D・O・E・S」をあげています。

そしてこの4つの特性全てに当てはまらなければHSPではないと言っています。

HSPの4つの特性DOES(ダズ)とは、

D:「深く処理する」
Depth of processing

O:「過剰に刺激を受けやすい」
being easily Overstimulated

E:「感情の反応が強く、共感力が高い」
being both Emotionally reactive generally and having high Empathy in particular

S:「些細な刺激を察知する」
being aware of Subtle Stimuli

 

D:「深く処理する」、O:「過剰に刺激を受けやすい」、E:「感情の反応が強く、共感力が高い」、S:「些細な刺激を察知する」この4つの特性=DOES(ダズ)について理解しやすいよう、ボク自身の日常生活における具体例をあげて解説いたします。

 

D:「深く処理する」=物事について深く考え、慎重に考えてから行動する。

「深く処理する」=物事について深く考え、慎重に考えてから行動する。

 

学校のレポートや仕事の書類作成時に「よくここまで考えたね」と褒められる。

安易に行動しないので失敗が少ない。

LINEやメールの返信に時間がかかってしまう。

相手が話したチョットしたことでもその話の裏まで想像して考えてしまう。

「考えすぎだよ!」という指摘をよく受ける。

物事を始めるまでに時間がかかってしまう。

仕事は手を抜かずに丁寧だが時間がかかりすぎてしまう。

頭の中で常に議論をしている。

新しい事をはじめる時にメリット・デメリットを列挙し比較検討を怠らない。

仕事をする上で長期的な目標を重要視する。

 

HSP当事者であるボクの具体例をあげてみます。

(例:①)仕事で上司に相談する場合。

・あ、××のことについて上司に相談しなくちゃ!

・でも、今日の○○さん(上司)の機嫌はどうかな?

・質問したいんだけど、いまは忙しいかな?

・こんな質問をしたら「自分で考えろ」と言われちゃうかな?

・あ、いま笑ってたからいいチャンスかな?

・でも、いま私がこんな質問をしたら不機嫌になっちゃうかな?

・なんか面倒臭くなってきた……また今度で良いかな……(問題解決の先送り)

・はやく相談して解決しないといけないのに、なかなか踏み切れない……こんな私ってダメだな……(自己嫌悪)。

 

(例:②)友人グループの飲み会の幹事を頼まれた場合。

・参加者が一番参加しやすい場所(駅)を選ぶ。

・参加者全員が喜んでくれるような店を食べログやホットペッパー、地元の口コミサイトで探しつくす。

・女性が多い場合は食べ物の美味しさを重視、お酒が好きな男性が多い場合はお酒の充実度を重視。

・1~2次会まで滞りなく移動(距離と時間を考慮)できるようにセッティングする。

・締めはスイーツがいいのか?ラーメンがいいのか?全員にアンケートを取る。

・飲み会の流れを何度も頭の中でシュミレーションをして、準備万端で飲み会に臨む。

・皆に「さすがだね!」と喜ばれて飲み会は大成功だったけど、なんかとても疲れた……。

 

HSPは未知の体験をする機会に出会ったとき、「石橋を叩いて渡る(頑丈に見える石の橋でも安全性を確かめるために叩いて渡る)」か、石橋を叩き壊して渡らない、ということも往々にしてありえます。

 

気を配り深く物事を考えることは良いことである反面、貴重なチャンスを逃してしまいがちという部分もあります。

なのでHSPは「慎重な決断点」を自身の中で見出す練習が日常生活の中で必要だと思います。

 

O:「過剰に刺激を受けやすい」

過剰に刺激を受けやすい

 

エアコンの室外機の音、上階の住人の足音、他人のタイピングの音がとても気になる。

人混みはテレビで見ただけでも疲れる。

残酷・ネガティブなニュースを見るとすごく気分が落ち込む。

人間関係ドロドロのドラマは心の負担が大きすぎるから観たくない。

車のクラクションやサイレンに過剰に反応してしまう。

人と話すのはその時は楽しくても後でドッと疲れる。

会話をしている時の相手の表情・口調がとても気になる。

仕事で失敗するとメチャクチャ落ち込み立ち直るまで時間がかかる。

相手を傷つける言動をしてしまった後は長い間自己嫌悪が続く。

相手の冗談ぽいちょとした言動に凄く傷つき引きずる。

苦手な人と一緒にいると緊張が半端ない。

嫌いな人は徹底的に避ける。

感動する映画を観ると他の人が引くぐらいに号泣してしまう。

こんな感じで、HSPは非HSPにとっては「全然気にしないこと」「すぐに忘れてしまうこと」が強い刺激となって感じられ引きずってしまいます。

 

(例:①)木造のアパートには住むことができない。

はじめての一人暮らしの時に「家賃が安いから」という理由だけで、木造アパートに引っ越してしまいました。

これが地獄のはじまりでした。

 

隣部屋の方が夜遅く帰ってくる方で、夜中にバタバタと足音を立てる、洗濯機を回す、バタン!ドン!と大きな音を立ててドアを開け閉めする……。

アッという間に寝不足⇒蓄積疲労⇒仕事でミス連発⇒イライラMAX⇒情緒不安定……という抜け場のない悪循環地獄にハマってしまいました。

 

でも、となり部屋の方は別にボクを攻撃しているわけではなく、普通に生活しているだけなんですよね(多少無神経?であったとは思いますが)。

 

しかも、アパートの前に駐車場がある作りであったため、車のエンジン音やドアの開け閉めの音にまで悩まされてしまいました。

 

HSPのボクには木造アパート生活は3ヵ月が限界でした。

非HSPである友人からは「えっ!?もう引っ越すの!マジかよ!!」とメチャクチャ驚かれました。

 

(例:②)大好きな感動系映画は何度見ても号泣してサッパリすることができる。

ボクは感動系映画(「パコと魔法の絵本」「フィッシャー・キング」「容疑者Xの献身」など)が大好きで、同じ映画を繰り返し観ます。

その映画がどんなストーリーで、どこが号泣ポイントなのかを熟知しているのですが、毎回同じ場面で号泣することができます。

 

ストレスがたまって情緒が不安定になっていて、アルコールが入ってしまうとさらに拍車がかかります。

もう、ティッシュ一箱がなくなるんじゃないっかってぐらい、涙と鼻水でグチャグチャです。

 

で、映画を観終わった後は実にサッパリした感じになれます。

涙と一緒にボク自身の中にたまっていたストレスを洗い流してしまえるからです。

 

科学的事実として、涙を流すことで幸せホルモンと言われている「セロトニン」が多く分泌され、精神的に落ち着く(副交感神経が優位になる)ことが証明されています。

 

世間には「号泣セミナー」という、ストレスを解消するためのグループ・カウンセリングもあるぐらいですからね。

 

「過剰に刺激を受けやすい」というのは生き辛い部分も大きいですが、人一倍感動できるというプラスの部分も大きいと思っています。

 

E:「感情の反応が強く、共感力が高い」

「感情の反応が強く、共感力が高い」

 

HSPは他人の感情(喜怒哀楽)に対して敏感に反応し、共感する能力がとても高いです。

非HSPは「他人の感情」と割り切ることができても、HSPの心の中には他人の感情が否応なしに飛び込んできてしまうのです

 

その理由はHSPの第一人者であるエレイン・N・アーロン博士も講演会で言及しているように、HSPは(ミラーニューロンの働きが活発であるからだそうです。

そして、とくにネガティブな感情に強く影響を受けやすいのです。

)ミラーニューロンとは脳内にある神経細胞の一つで、他の人の行動を見るとあたかも自分が同じ行動したかのように活性化するのです。

 

映画の主人公が泣いているのを見て自分も泣いてしまう。

困っている人を見ると助けずにはいられない。

緊張している人が近くにいると自分もガチガチに緊張してしまう。

相手に喜んでもらえることをするのが大好き。

他人に迷惑をかける人に対して強い憤りを感じその感情が持続する。

相手の体調不良や機嫌をすぐに察する。

職場の人間関係が悪いと自分が被害を受けていなくても辛くてたまらない。

同じ部屋で他人が怒られていると自分も辛くてたまらなくなる。

ドラマ・映画・マンガ・音楽などの影響を強く受ける。

同じパフォーマンスをする場合でもその場の雰囲気に強い影響を受けやすい。

会話をしていると相手が何を言ってほしい、どう言ってほしいかということをすぐに察する。

 

(例:①)職場で同僚が怒られていると自分も緊張して仕事が手につかなくなる。

仕事でミスをした同僚が無言で落ち込んでいるのにその雰囲気を察する。

上司が部屋に入ってきた様子で、怒っている雰囲気が伝わってくる。

同僚が上司に呼び出されただけで全身が「耳」となってしまい、仕事に集中できなくなる。

怒っている上司の感情、怒られている同僚の感情がドカッ!と飛び込んできて、プチ・パニック状態になる。

「はやくこの状態が終わってくれ!」と心の中で祈り続けるか、トイレに行く体でその場から逃げ出す。

その日は自分が怒られたわけでもないのにドッと疲れてしまう。

 

(例:②)相談をされた時に相手が言って欲しい言葉を察することができる。

HSPは共感能力が高いため相談されやすいです。

それは、相談する相手が自身では意識していなくても、「安心したい」「共感してもらいたい」という思いがあるからです。

HSPはその部分を察して、「こう言ってほしいんだろうな」「こんな言葉を聞きたいんだろうな」ということを考え、その言葉を相手に投げかけます。

相談する人は往々にして答えはすでに自分の中にあって、安心したい・背中を押してもらいたいという場合が多いです。

なので、自分が言って欲しい言葉を投げかけてくれるHSPであるあなたに相談してくるのです。

基本的に他者に対して誠実であろうとするHSPは、嘘や美辞麗句を並べることはしないので、より相手に信頼されやすいのです。

 

「感情の反応が強く、共感力が高い」HSPは、他人の感情に振り回されてしまい、本来の自分の能力を発揮できないということが多いのではないでしょうか。

そういう生きづらさの反面、誠実で共感力が高いHSPの特徴もあるため、人望が厚いという長所も持ち合わせているんですね。

 

S:「些細な刺激を察知する」

「些細な刺激を察知する」

 

これはHSPのHSPたる所以ともいえる、非常に特徴的な部分ではないのでしょうか。

五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)が敏感過ぎて(鋭すぎて)、日常生活を送るうえで影響を受けやすいのです。

視覚

  • 車のヘッドライトが凄く眩しい。
  • パソコンやスマホのブルーライトですぐに頭が痛くなる。
  • 職場の蛍光灯が明るすぎて辛い。
  • 職場のトイレなど少し暗い所に行くとホッとする。
  • 明るい部屋では眠ることができない。

 

聴覚

  • 音楽が好きなのに耳が痛くなる+頭痛になるため長時間は聴くことができない。
  • 些細な物音で目が覚めてしまう(目覚まし時計のスイッチが入った音で目覚める)。
  • エアコンの室外機など些細な音が気になって眠れない。
  • 会話する人が近くにいると仕事に集中できない。
  • 木造のアパートなど音が響きやすい部屋には住むことができない。

 

嗅覚

  • 他人・自分の体臭・口臭にとても敏感。
  • 雨に濡れた服の臭いで気持ちが悪くなってしまう。
  • 香水や芳香剤の強い臭いは嗅ぎたくない。
  • 自分の家のトイレ以外はできるだけ使いたくない。
  • 汗をかいた後はすぐにシャワーを浴びたい。

 

触覚

  • Tシャツやインナーのタグは買ったらすぐに外す。
  • ハイネックのニットやネクタイが苦手。
  • 電車やバスで隣の人に接触するのがとても気になる。
  • 手が汗や汚れでベトベトするのが耐えられない(手を頻繁に洗う)。
  • お風呂や温泉が大好きだが長湯ができない(1~2分で限界)。

 

味覚

  • 辛い物が苦手。
  • 好みの味のものを長い間食べ続ける。
  • カフェイン・アルコールに強い影響を受けてしまう。
  • 繊細な味付けを好む。
  • 好き嫌いが多い。

 

対人関係

  • お昼の休憩時間はできれば一人で食事をして静かに過ごしたい。
  • 休日は部屋にひきこもり誰とも関わりたくない。
  • SNSの頻繁なやり取りは苦痛。
  • 職場の人の気配が凄く気になる。

 

これはボクの持論なのですが、HSPの五感に対する意見が非HSPの「生活しやすさ」にも大きく影響を与えているのではないか?と思っています。

非HSPがあまり気にしない、気になってもすぐに忘れてしまう「不快な五感」を、HSPが改善していくから、より生活しやすい「五感環境」が生まれる……って、HSP側に偏った意見でしょうか?

 

まとめ

HSP、DOESまとめ

 

HSPの特徴DOES

D:「深く処理する」
Depth of processing

O:「過剰に刺激を受けやすい」
being easily Overstimulated

E:「感情の反応が強く、共感力が高い」
being both Emotionally reactive generally and having high Empathy in particular

S:「些細な刺激を察知する」
being aware of Subtle Stimuli

HSPがHSPであるが所以であるDOES(ダズ)は、HSPであるあなたならばどれもが「わかる!」と膝を打つぐらいに当てはまったのではないでしょうか。

 

HSPの第一人者であるエレイン・N・アーロン博士が、DOESの4つの特性全てに当てはまらなければHSPではないと言っていますので、もしも「二つは当てはまるけど、もう二つは当てはまらない」という方は、HSPではなく他の要因があるのかもしれません。

 

刺激が多く、他者との関わりが複雑な現代社会において、DOESの4つの特性を持ったHSPは生きにくさを感じてしまうのは当然のことだと思います。

だからといって、「DOES をもったHSPだから、安心して暮らせない・幸せになれない」とあきらめる必要はありません。

 

あなた自身のDOESという特性を深く理解し、「どういう環境ならば、どう考えれば、自分は安心できるのか?心地よく生活できるのか?」と戦略的に考えていくことが重要だと考えます。

その過程でボクが見つけた答えを、このブログでは発信していきたいと思っています。