HSPのうつ問題

HSPが冬に陥りやすい「冬季うつ」(季節性うつ病)について当事者が解説します

冬になると気分が落ち込んで辛い……これってうつ病なの?

日照時間の短い冬になるとわけもなく落ち込む、無気力になる、食べ過ぎちゃう……。

 

その気持ち、めちゃくちゃよくわかります。

ボクは「冬季うつ病」(季節性うつ病)という言葉に出会うまで、ずいぶんと悩みましたから。

 

ですが自身が冬季うつであるということを知り、対処法を知った現在では、冬場のつらさをだいぶ軽減できるようになりました。

 

この記事では、

  • 冬季うつとは
  • 冬季うつの特徴
  • 冬季うつの原因
  • 冬季うつの対処法
  • 冬季うつ以外の季節性うつ病

について、ボク自身の実体験から丁寧かつ分かりやすく解説しています。

 

環境の変化、季節の移り変わりに敏感なHSPの中には、冬になると辛くなる冬季うつに悩まされている方が多いのではないでしょうか。

 

そんな冬になると辛くなるHSPのあなたにこの記事を読んでいただくことで、

  • 「冬場にウツっぽくなるのはこれが原因だったのか!」
  • 「なるほど、こういう理にかなった対処法があったのか!」

という気づきを得ていただけると自負しています。

 

冬になると気分が落ち込む「冬季うつ」とは何か?

冬になると気分が落ち込む「冬季うつ」とは何か?

 

冬季うつ病とは、季節の変化が原因で発症する季節性うつ病(季節性感情障害:SAD)の一つです。

秋口から冬場(10月~2月)にかけて症状が現れ、春先(3~4月)になると自然に回復します。

 

仕事のストレスや人間関係の悩みなどの明らかな心理的な原因がなくても、冬場になると発症してしまうのが特徴です。

20代前半から発症しはじめ、男性よりも女性が多いです。

 

やっかいなのが、一度発症してしまうと毎年繰り返してしまう事が多いというということです(対処法はあるので安心してください)。

 

冬季うつの特徴は?

冬季うつの特徴は?

 

冬場になると発症する冬季うつの代表的な症状として、

  • 睡眠時間が長くなる(過眠)
  • 睡眠時間が十分でも日中の眠気が強い
  • 食欲が上がり、とくに炭水化物や甘いものが食べたくなる(冬場に太る)
  • 気分の落ち込み、無気力、ネガティブになる
  • 精神的に不安定になりイライラしやすくなる
  • 集中力が低下して仕事や家事でのうっかりミスが多くなる
  • 人に合うのが億劫になり引きこもりがちになる

このようなものが顕著に現れます。

 

ボクの場合は日照時間が短くなる10~11月になると次第に気分が落ち込みはじめ、12~2月の寒い時期は気分の落ち込み・無気力・食べ過ぎ・過眠が顕著に現れました。

 

明確なストレス要因がないのに心が重っ苦しい、いつもは号泣する映画を見てもまったく心が動かない。

食べ過ぎだとわかっていても、糖質(白米・パン・うどん・チョコ)が無性に食べたくなる。

 

朝起きるが異常に辛く、週末は12時間以上寝てしまう……という状態が秋口から春先まで続くのです。

3月前半から気分が上向きはじめ、4月には冬場のうつ状態がウソであったかのように回復しました。

 

冬季うつの原因とは?

冬季うつの原因とは?

 

冬季うつの原因は「日照時間不足」だといわれています。

事実として日照時間の短いノルウェー・スウェーデン・デンマークなどの北欧では、発症率が高いことが分かっています。

 

なぜ日照時間が短いと冬季うつの原因となるのか。

その理由は、日照時間不足=太陽の光をしっかりと浴びないと、セロトニンという脳内物質を十分に作り出すことができないからです。

 

セロトニンは睡眠を誘発する脳内物質であるメラトニンの原料となるのです。

つまり、日照時間が短い冬場には太陽の光を十分に浴びることができないため、セロトニンが不足して十分なメラトニンを作り出すことができないのです。

メラトニン不足により睡眠が乱れ⇒生活のリズムが乱れ⇒体調の乱れを誘発⇒冬季うつへと繋がってしまうのです。

 

春から夏にかけては帰宅時にまだ外が明るく、太陽の光を浴びることができます。

ですが、日照時間が短くなる秋から冬にかけては、退社時には「外は真っ暗……」ということになります。

必然的に太陽光不足になるわけですね。

 

余談ですが、夜働く仕事で太陽の光を浴びるべき時間は寝ている仕事は、必然的にセロトニン・メラトニン不足になり睡眠障害を誘発しやすいため、HSPには向かないと言えるでしょう。

 

冬季うつの対処法

冬季うつの対処法

 

冬季うつの対処法は大きく分けて、

  1. 薬を飲まない方法
  2. 薬を利用する方法

この2つがあります。

 

冬季うつ対処法①薬を飲まない方法

ボクが実践した「薬を飲まない方法」をまず解説します。

その方法とは、【うつ消しごはん:藤川徳美 著】を読んでその内容を実践+αをしたことです。

 

この本では精神科医である藤川徳美先生が、多くの臨床結果に基づいた実績のある、薬に頼らずうつを振り払う栄養療法メソッドを紹介しています。

この本を読めば、サブタイトルである「タンパク質と鉄をたっぷり摂れば 心と体はみるみる軽くなる!」の意味が納得できるようになっています。

 

「うつ消しごはん」を読んでボクが実践している方法と、鬱っぽくて辛い方でもはじめやすい方法の詳しい解説は、コチラの記事をお読みください。

>>HSPの「うつ」問題に薬を飲まずに対処する方法

HSPの辛い「うつ」問題に薬を飲まずに対処する方法HSPのうつ問題を薬を飲まずに対処する方法として、「うつ消しごはん」精神科医 藤川徳美著を読んで、実際にボクが実践している方法をできるだけわかりやすく解説しています。...

 

冬季うつ対処法②薬を利用する方法

上記の「薬を飲まない方法では成果がいまいち……」という方は、「薬を利用する方法」を実践してみてください。

頭が痛いときに頭痛薬を飲むように、うつ症状で辛いときに薬を飲むことは決して悪いことではないので、変に高いハードルを意識せずに精神科やメンタルクリニックを受診してください。

 

冬季うつの場合、一般的には抗うつ薬の中でも眠気や疲労感という副作用の少ない、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が主に使われています。

秋口から飲みはじめ春先には薬をやめられるので、「うつの薬は飲みはじめたら一生飲み続けなくてはならないの……?」という不安もありませんので安心してください。

 

夏場にもうつ病のリスクが!「夏季うつ病」

夏場にもうつ病のリスクが!「夏季うつ病」

 

冬季うつ以外の季節性うつ病として代表的なのが「夏季うつ」です。

夏季うつとは6~9月に発症し、

  • 不眠
  • 食欲不振
  • 不安感
  • 気分の落ち込み

が見られます。

 

夏バテと混同されがちですが、気分の落ち込みや不安感などの精神的不調が見られるのが夏季うつの特徴です。

猛暑による疲れやだるさだけではなく、「精神的に不安定で不安が強い」と思ったら、夏季うつを疑った方がいいでしょう。

 

ボクの場合は日本の夏が猛暑になり、2~3年ほど前から「夏場になると不眠・気持ちの落ち込み」が強くみられるようになりました。

仕事ができないほど辛いわけではないのですが、「日々の生活がしんどい……」と感じるようになっていたのです。

 

そこで、「これはもしかしたら猛暑と関係があるのかも……」と調べてみたところ、夏季うつという言葉を知ることができたのです。

 

HSPは環境からの刺激に敏感なため、猛暑によるダメージも非HSPより明らかに大きいです。

夏場にも気持ちの落ち込みがある場合は、夏季うつの可能性があることも覚えておいてください。

 

夏季うつ病の不眠で苦しまれている方は、ボクが実践している「マインドフルネ」という最高の脳の休息方法を知ってください。

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夏季うつの不眠が完全に解消されるわけではありませんが、睡眠の質が6~7割は改善されました。

猛暑をなんとか乗り越えることができ大きな要因の一つが、マインドフルネスだといえるでしょう。

冬・夏に気持ちの落ち込みが激しい場合は季節性うつ病の可能性を考える

冬・夏に気持ちの落ち込みが激しい場合は季節性うつ病の可能性を考える

 

ボクは冬場になると気持ちの落ち込みが激しくなり、無気力な状態が数ヵ月続くという苦しさに悩まされていました。

夏が終わり秋が深まってくると、「うわ……またあのつらい季節がやってくるのか……」と。

 

まさかその正体が、冬季うつ病だとは知らなかったからです。

どうやら自分は冬季うつらしいということはわかりましたが、メンタルクリニックを受診するほどではない(本当は受診した方がよかったのですが、受診するのも面倒でした)。

どうしたらいいものか……と路頭に彷徨っていた時に出会ったのが、「うつ消しごはん」という本だったのです。

 

この本を一読してまさに目から鱗が落ちる状態で、すぐに実践にうつしました。

実践したことで冬季うつの症状がまったく無くなったわけではありませんが、だいぶ楽にはなりました。

 

冬季うつ・夏季うつ(抑うつ・うつ病)に苦しんでいるあなた、ぜひ一読されることをお勧めします。

「うつ消しごはん」は字が大きく行間も詰まっていないため、冬季うつなどの辛い状態でも読みやすい優しい作りの本ですので安心してください。

 

マジメなHSPは辛さや苦しさを一人で抱え込んでしまいがちです。

一人で悩んでいてもらちが明かなかったことが、本を読んだり誰かに相談したり、精神科やメンタルクリニックを受診して、カウンセラーや精神科医の診察を受けることで、あなたの人生が180°好転する可能性だってあるのですから。

 

最後に一言。

HSPは頑張りすぎるぐらい頑張って生きています。決して一人で苦しまないでください