あなたは「音」に動揺してしまう、「音」が気になって仕方がないと悩んでいませんか?
動揺してしまう「音」の具体例をあげますと、
職場の……
- 声の大きな人の話し声(疲れていると普通の声でも気になる……)
- やたら大きいタイピング音(特にEnterキー)
- 長時間続く隣の席の人のペン回しの音
- ドアや更衣室のスチールロッカーの大きな開閉音
- 不機嫌な人の怒りのこもった書類を整理する音
アパートやマンションなどの集合住宅での……
- 上階の人のドンドン・パタパタという足音
- フローリングに物を落としたりドンッと物を置く音
- 隣人の話し声や笑い声
- テレビやオーディオの音
- バタンっ!というドアの開閉音
- 上階のトイレを流す音
その他にも……
- テーマパークや遊園地の大きなスピーカー音
- アナログ式時計の秒針の音
- ダンプやトラックなど大きな車の走行音
- 車のクラクション
- 蛍光灯の「ジィーッ」という音
- 電車やバスの中での話し声
「わかる!すっごく気になるから、毎日とても疲れる……」というあなたは、もしかしたらHSP=Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)=「非常に敏感な人」「とっても繊細な人」かもしれません。
HSPについて詳しく解説した記事はこちらです。
>>音・光・他人の言動など刺激に凄く敏感なHSPとは?当事者であるボクがわかりやすく解説します。
ボクは長い間「音」問題について悩み続けてきました。
ですが、HSPという概念に出会うことで自分を許せ、「音」対策を練ることができるようになりました。
そのため以前よりもだいぶ安心して生活をすることができています。
この記事では「音」問題に焦点を当て、HSPが要因である場合の対策方法だけではなく、音に過敏=聴覚過敏になるHSP以外の要因についても解説しています。
もくじ
音に敏感なあなたはHSPかも?
HSPはHighly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)=「非常に敏感な人」「とっても繊細な人」なため、様々な刺激(音・光・臭い・人間関係など)に敏感です。
ボクはHSPの診断テスト結果がどれもほぼ満点に近いので、あらゆる刺激に敏感に反応してしまいます。
HSP診断テストはコチラの記事を参照してください。
>>第一人者である「エレイン・N・アーロン博士」版
>>細部まで分析できる心理療法士「イルセ・サン」版
>>【お勧め!】日本の精神科医「保坂隆Dr」版
刺激の中でもとくに「音」に敏感で長い間、
- 「なんでこんな音が我慢できないんだろう。他の人は気にしていないのに……」
- 「他人の出す音が気になって仕事に集中できない……」
- 「些細な音が気になって眠れない……」
と苦しんできました。
ですが音問題に悩み、毎日ヘトヘトに疲れながらも、なんとか社会人としての体裁を保ち、生活することはできていました。
でも……ギリギリの精神状態に追い込まれることもよくあったので、本当に辛かったです。
と、この記事をここまで読まれて違和感を感じないあなたは、もしかしたらHSPかもしれません。
HSPはささいな刺激「音」にも敏感に反応してしまう
HSPは非HSPの人よりも巨大なアンテナ(収音マイク)を持っているため、些細な情報=刺激=音をキャッチしてしまいます。
非HSPの人が排除する、切り捨てるような音でも情報として取り入れてしまうのです。
音という情報を処理するということは、それだけ脳を使うということになります。
HSPの場合は音だけでなく様々な刺激(光・臭い・皮膚感覚・人間関係など)の情報も常に処理しているため脳が疲れやすい、オーバーヒートしやすいのです。
脳が疲れてくるとイライラする、さまざまな刺激に過敏になる、不安になるという症状が現れます。
となると、さらに音に過剰に敏感になりもっと疲れる……ということになってしまうのです。
そして、ヘトヘトに疲れているのに脳が過覚醒(興奮状態)であるため、眠りが浅くなる=小さな音で目覚めてしまう、些細な音が気になって眠れない状態になってしまいます。
さらにその状態が進行してしまうと、不眠症や睡眠導入剤(睡眠剤)を飲まないと眠れない状態にまでなってしまうのです。
HSPという気質が原因で音に敏感な方は、はやめにHSPのあなたが音問題に振り回されずに、安心して暮らせる仕事や生活環境について考える必要があると思います。
HSP以外の音に敏感(聴覚過敏)になってしまう要因
ただし注意していただきたいのが、音に敏感(聴覚過敏)=HSPであるとは限らないということです。
HSP以外に聴覚過敏になってしまう要因として、
- 発達障害:ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)
- 統合失調症
- うつ病
- メニュエール病
- 自律神経失調症
という可能性もあるので、この記事を読まれて「音には敏感なんだけれども、なんかちょっと違う……」と思われた場合は、他の要因を調べてみる必要があります。
HSPと他の要因との違いについて、簡単にわかりやすく解説します。
発達障害:ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)
ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)とは(*1)発達障害の一種です。
(*1)発達障害とは
生まれつき脳の発達に障害があることの総称です。
ASD以外にもADHD(注意欠陥多動性障害)・LD(学習障害)などがあります。
大きく分けて3つの障害が特徴です。
1:社会性の障害
空気を読む・暗黙のルールを理解して物事を進めるなどが苦手で、社会的に人と関わることに困難さを感じます。
2:コミュニケーションの障害
相手の発言の言葉の裏にある感情や意味を理解したり(「全然気にしていないよ」と言っていながらも、実は相手はすごく不快に思っている場合など)、気づくことが難しいです。
また、自分が言いたいことや感じていることを、たとえ話などを用いたり、かみ砕いて伝えることが苦手です。
なので仕事や人間関係で根回しをして物事を進めるということは、とても苦手です。
3:想像力の障害
突発的な計画の変更やイレギュラーな出来事への対処がとても苦手です。
興味や関心、心地の良いパターン化された動きなどに強いこだわりがあり、その対象外のことには強い抵抗を感じてしまいます。
HSPとASDの最も大きな違いは、「人間関係の空気が読めるか・読めないか」だと思います。
- HSPは人間関係の空気を読みすぎて疲れてしまう。
- ASDは人間関係の空気が読めずに苦しむ。
ということになります。
またボクが調べたところでは、HSPは音全般に敏感なのに対し、ASDは特定の音が苦手な場合があるようです。
統合失調症
統合失調症とは、(*1)幻覚や(*2)妄想をはじめとする、正常な精神機能に新たな知覚や認識が加わる陽性症状と、正常な精神機能が減少あるいは欠如する陰性症状という症状群が出現する病気です。
統合失調症の明らかな幻覚や妄想といった陽性症状が出現する前に、聴覚過敏や睡眠障害が出現するといわれています。
(*1)幻覚とは
実際にはないものが見えたり聞こえたりすることです。
統合失調症では特に、周りに人がいないのに誰かの話し声が聞こえる、話しかけてくるというような幻聴が多いです。
(*2)妄想とは
現実的にはありえない事柄に対して、強い確信を持った考えを言います。
たとえば「私は誰かに電波で操られている」「テレビのニュースが私の個人情報を垂れ流している」というようなことが多いです。
HSPの場合は聴覚過敏があっても、幻覚や妄想は出現しません。
うつ病
脳のエネルギーが著しく低下した状態で、そのことによって憂鬱などのさまざまな意欲(食欲・睡眠欲・性欲など)の低下が長期間続きます。
また、聴覚過敏・睡眠障害などの身体的な自覚症状を伴うことも珍しくありません。
今まで楽しかったこと(家族や恋人との会話・趣味活動など)に、楽しみや喜びを感じなくなった。
いつまでも憂鬱な気持ちが晴れない。
という場合は注意が必要です。
HSPは日常生活の中で緊張する場面が多くストレスを感じやすいのですが、まじめな性格からストレス発散がなかなかできずに溜め込んでしまい、うつ状態になってしまう事も多いです。
なので、抱えている音問題は「HSPだからなのか?」「うつ状態まで状態が進行してしまっているのか?」を見極めることが重要です。
メニエール病
激しい回転性めまい(自分・周囲のモノがグルグル回転している感覚のめまい)・耳鳴り・難聴を繰り返す内耳の病気です。
耳が聞こえにくいのに、子供の叫び声や食器ぶつかるの音などがかえって強く響き、不快に感じてしまうという症状(聴覚過敏)も観られます。
HSPの場合はストレスからめまいや耳鳴りを感じることはあっても、激しい回転性のめまいや難聴になることはありません。
自律神経失調症
自律神経失調症とは、昼夜逆転などの生活のリズムの乱れや不規則な生活習慣、仕事や人間関係などのストレスにより、自律神経(交感神経・副交感神経)のバランスが乱ることで起こる、さまざまな心身の不調です。
自律神経失調症として現れる症状は、
- 頭痛
- 耳鳴り
- 疲れ目
- 動悸
- 手足のしびれ
- 胃腸の不調
- 下痢、便秘
- 肩こり
- 生理不順
などが代表的ですがその他にも、
- 倦怠感
- 睡眠障害
- 食欲減退
- 不安感
- イライラ感
- 記憶力低下
- 憂鬱
- 聴覚過敏
などさまざまな症状があります。
ただ、HSPと自律神経失調症との線引きは非常に難しいと思います。
なぜならばボク自身の経験から、繊細なHSPは自律神経失調症を併発している場合も多いと思うからです。
音に過敏に反応してしまう以外に、上記のような症状も頻回にみられる場合は、メンタルクリニックなどを受診することを強くお勧めします。
と言っても、「病院の精神科とかメンタルクリニックとか、なんか精神的なハードルが高くて行きにくい……」と思われるHSPの方が多いのではないでしょうか?
ボクもはじめはそう思いましたが、全然そんなことないんですよ。
待合室はとても清潔で静かですし、受付の方や精神科医の方はとても親切です。
HSP以外の聴覚過敏となる要因が考えられる方は、決して一人で我慢しようとはしないでください。
こじらせてしまうと、聴覚過敏の症状や原因が悪化してしまうことが考えられるからです。
決してあなたは一人ではないということを忘れないでください。
HSPのための「音」問題対策
ボクが音問題に悩まされずに、社会人として安定して生活を送るために心がけていることをこちらの記事で紹介します。
あなたがHSPで、音問題に苦しんでいる場合はぜひ読んでみてください。
まとめ
診断テストでHSPだということがわかり、音問題に苦しんできた原因が分かったあなた。
とても幸運なことだと思ってください。
なぜならボクはHSPという概念に出会うまでは、
- 「なんで些細な音にビクビクしてしまうのか!」
- 「誰も気にしない音に過敏に反応してしまう自分はおかしいんじゃないのか?」
- 「他人の出す音に支配される人生なんて最悪だよ……」
と長い間自分を責めてきてしまったからです。
ですが、HSPというあなたの気質が音に敏感になってしまう原因だと理解できたならば、今後は音に対して対策をとって生きればいいのです。
「音」問題に苦しんできたHSPのあなた。
辛い思いをしてきたのはあなただけではないのです。
刺激の多い現代社会で、繊細なHSPが生きにくいことは事実です。
ですが、HSP=不幸であるわけではありません。
HSPは外からの刺激、とくに音に対して敏感なのは、それだけ身の危険を察する能力に長けているからだと思います。
HSPという気質=長所を生かし、HSPが戦略的に自分らしく安心して生きていく方法を、今後も発信していきますので、よろしくお願いします。